ひとくちに保険と言っても、種類はいろいろ!
皆さんは「生命保険」というと、どういった保険を思い浮かべますか?
万が一のときに備える保険(死亡保険)、病気や手術に備える保険(医療保険)、特に恐い病気であるがんに備える保険(がん保険)。
このあたりが一般的に思い浮かぶところでしょうか。
また、子どもの進学費用に備える「学資保険」や、老後の年金に上乗せする「個人年金保険」、介護状態になったときのための「介護保険」なども、広く知られている保険だと思います。
こういった保険のほかにも、最近では、今の時代に対応したいろいろなリスクに備える保険が開発されています。
具体的にどんな保険なのか、少し中身を見てみましょう。
新しい時代の、新しい保険
今の時代ならではのリスクというと、たとえば「長生きリスク」が挙げられます。
長生きすることがリスクとはちょっと変な感じもしますが、寿命が伸びるとそれだけ生活費もかかってしまうため、生活資金が潤沢にある人以外にとっては、リスクがあるということなのです。
この長生きリスクに対応した保険として、トンチン性を高めた保険が登場しています。
「トンチン」とは変わった名称ですが、イタリア人のロレンツォ・トンチという人が考案したと言われている制度なので、この名前が付いています。
加入を希望する人たちでお金を出しあい、そこから生じる一定の利息が、加入者全員が死ぬまで支払われるという仕組みです。
つまり、早く亡くなってしまうと自分が支払った掛け金よりずっと少ない金額しか受け取れませんが、長生きした場合には、自分が支払った掛け金よりずっと多く受け取れるということです。
具体的にどのくらい多く受け取れるのかというと、たとえば50歳の男性が70歳まで保険料を払い続け、それを終身(生きているかぎりずっと)で受け取った場合、99歳時点での戻り率は以下のようになります。
・A社 … 147.6%
・B社 … 157.76%
マイナス金利の影響で生命保険の戻り率が軒並み減少しているなか、この数字はなかなかのものです。
現在、トンチン保険を取り扱っている保険会社は4社です。
早く亡くなった場合にはメリットの享受はできないものの、長生きリスクを重視する人にとっては加入する価値のある保険と言えるのではないでしょうか。
そのほか、「働けなくなるリスク」に備える保険も、ここ数年リリースが続いています。
何らかの事情で働くことができなくなると、当然収入もゼロになってしまいます。
入院や手術の費用は貯蓄さえあれば捻出できますが、収入が止まってしまってはどうしようもありません。
そのため、医療保険よりも休職や離職のリスクに備える “就業不能保険” の方に価値を感じる人が増えているようです。
ただし、こういった保険に加入していればどんな就業不能状態でも保険金が支払われる、というわけではありません。
一般的に60日程度の免責期間がありますし、就業不能状態の定義も保険会社によって異なります。
たとえば精神的なダメージ(ストレス)で働くことができなくなったケースだと、就業不能とは見なされない会社がほとんどです。
加入の際は、どういった状態でどの程度の保障が受けられるのかを確認しなくてはいけません。
その保障に対して支払う保険料が見合っているのか、しっかりと見極めましょう!
保険以外での新しい動き
ここまで新しい保険について述べましたが、保険に限らず、金融業界全体でも新たな動きが起こっています。
老齢年金や社会保障の脆弱さから、今後の日本では資産形成が必須となってきていますが、国としてもその流れを助長させたいということなのでしょうか。
たとえば投資では、「つみたてNISA」が今年からはじまりましたし、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者も増えています。
フィンテックと呼ばれる分野の「ロボ・アドバイザー」も話題性が高く、多くのベンチャー企業が参入しています。
保険ではなく、こういった投資で子どもの学資や老後資金の不足に備えるという人も、多いと思います。
将来起こる可能性のあるリスクのなかで、皆さんはどういったリスクが不安ですか?
それに備えるためにはどういった金融商品が必要でしょうか。
一度じっくり考えてみてください。
もし自分ひとりでは考えがまとまらないという場合は、ファイナンシャル・プランナーに相談するのもひとつの方法かもしれません。
アドバイスを受けることでばくぜんとした不安が整理できるでしょうし、最適な金融商品の提案をしてくれる場合もあります。
興味を持たれた方は、ぜひ関連するセミナーに参加して知識をつけたり、ファイナンシャル・プランナーへの相談を検討してみましょう。
(あべし)
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