払い過ぎたかも?相続税が戻ってくる相続税還付とは

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相続税還付とは

こんにちは。Money Motto!ライターのトリです。相続税還付をご存知ですか。

納付した相続税を見直して手続きを行えば、払い過ぎた相続税が戻ることをいいます。対象となるのは、相続税申告期限(亡くなった日から10ヶ月)から5年以内の場合です(※)。税務署に相続税法に定める「更正の請求」の手続きをし、これが受理されれば相続税が還付されます。土地を含んだ財産の相続税申告を行った場合に、土地評価部分を見直すことで、納めすぎていた税金が戻ります。

国税庁の発表によると相続財産のうち41.5%が土地となっていますので、対象となる方も多いのではないでしょうか。土地を相続して高額な相続税を収めている場合は、数百万円から数千万単位で還付されるケースもあるようです。

※平成23年の新税制により1年以内だったものが5年以内に遡って請求することができるようになりました。平成23年12月2日以降に申告期限が到来するものに限ります。

なぜ、このような相続税の払い過ぎが発生してしまうのでしょうか。

相続税の払い過ぎとは

相続税を払いすぎてしまう理由は、相続財産の土地評価を誤って過大に申告しているからです。

複雑な土地の評価

土地はその形状や周囲の状況等を元に評価額を決めます。土地はみなさんもご存じのとおり、大きい土地、小さい土地、複雑な形の土地、傾斜している土地、道路に面していない土地など様々なバリエーションがあります。

それぞれ立地も異なるので、同じものはないと言ってもよいでしょう。また建築基準法や農地法など不動産関連の法律や規制が土地評価に影響を与える場合があります。さらに所有権や借地権など第三者の権利がついていることもあります。どれか一つが考慮されていないと評価額に大きな影響を与えてしまう可能性があります。土地を正しく評価するのはとても難しいのです。

相続税を自分で計算して申告するのであれば、確かに難しい土地のことだから、間違いがあっても仕方ないと考える方は多いでしょう。しかし、税理士に相続税の申告を依頼した場合にも、税理士が土地の詳細な調査や現地確認等を行なわず、土地の評価減になる評価項目を見落としていることが頻繁に起こっています。

経験のある税理士は少ない

税理士は税金のスペシャリストなのですが、税理士にも専門分野があります。税理士の多くは企業の法人税や所得税を専門にしており、相続税、特に不動産の専門知識がある税理士は少数です。

一度も相続税申告を経験したことがない税理士もいます。これは企業の案件数に比べると個人の相続税申告案件の方が少ないことや、税理士の試験科目に不動産に関する専門科目がないこと、相続税も選択科目になっているということが影響していると考えられます。

相続税申告の依頼をした税理士が、土地の評価額を算出するための専門知識をもっていなかったり、相続税申告案件の実績が乏しい場合は、相続税を払いすぎている可能性があります。土地の評価は10人の税理士がいたら、10通りの評価額になると言われています。税理士なら誰に頼んでも一緒というわけではないのが現状です。

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相続税は自己申告制度

同じように土地、家屋にかかる税金に固定資産税がありますが、こちらは各自治体が納付すべき税額を計算して通知する「賦課課税制度」をとっています。土地評価業務を行っている担当者が各土地の評価を行うので、大きな評価の誤りはほとんど発生しません。

一方、相続税は納税する私たちが自ら相続財産の土地の評価を行い、各税務署に申告する「自己申告制度」です。複雑で専門知識がないと難しい土地評価を、納税者が実施しなくてはならないため、大きな誤りが発生しても仕方がないのです。しかし、土地を過大評価して納税したとしても、自己申告制度は納税者が申告してきた内容を正しいとみなします。税務署側が積極的に減額の可能性を指摘してくれることはないのが実状です。

相続税還付の手続きをしたい

相続税還付を受けるためには、相続や不動産に強い税理士に相談をしてみるとよいでしょう。中には不動産鑑定士と税理士がタッグを組んで還付の手続きを専門に行う税理士事務所もあります。

依頼をすると税理士が申告書をもとに土地評価の再検討をします。土地の現地調査や役所調査を行い、減額要因を探します。あらためて専門の税理士が土地評価をやり直してみると、多くの場合で様々な減額のポイントが見つかります。複雑な土地の場合は土地評価に数ヶ月かけて徹底的に見直します。申告した土地評価を減額することができたら、税務署に更生の請求を行います。認められると納め過ぎた相続税が還付されます。

税金の還付は手続きが面倒と感じる方も多いと思いますが、相続税還付は納めた相続税が高額であれば、数百万円になる場合があります。土地を相続し、相続税を納付した方は相続税還付の可能性を考えてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2016年8月16日現在の情報をもとに作成しています。


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