贈与税も相続税も節約!生前贈与を活用しよう

shutterstock_175124282

生前贈与とは

こんにちは。Money Motto!ライターのトリです。生前贈与をご存知ですか。

生前贈与は、生きているうち(生前)に自己の財産を無償で相手に与える(贈与)ことをいいます。主な目的は亡くなった後の相続財産を減らしておき、相続税の納税を抑えることです。しかし、やみくもに贈与をしても贈与税が課税されるので注意が必要です。贈与税は贈与された財産に対してかかる税金で、贈与を受けた側が納税します。

平成25年度の税制改正で贈与税の見直しが行われ、生前贈与が注目されています。60歳以上のシニア世帯では平均貯蓄が2,000万円を超え、全世帯の貯蓄総額の60%を占めています。このような現状を踏まえ、この税制改正は相続よりも前に若い世代へ資産を移行させる目的があります。

生前贈与を活用して税金を減らす

相続も贈与もそれぞれ相続税や贈与税が課税されますが、平成25年度の税制改正では相続によって財産を渡すよりも生前贈与を利用する方が税金を減らすことができる方法が増えました。また贈与する側の対象はで65歳以上から60歳以上に年齢が引き下がりました。贈与を受けることができる対象も20歳以上の子どもだけではなく、20歳以上の孫まで拡大されています。
具体的にどのような生前贈与の方法があるのか4つご紹介します。

(1)年間で110万円の基礎控除

もっとも一般的な生前贈与です。毎年、一人110万円までが基礎控除額とされていて、申告も贈与税の支払いの必要もありません。贈与を受けることができる対象者にも制限がありません。子どもや孫以外にも贈与ができます。その年の1月1日から12月31日の1年間が対象期間です。一年を区切りにしているため暦年贈与、暦年課税とも言われています。

贈与税の基礎控除は贈与を受ける人ごとに認められます。(例:祖父の立場からみて、子ども2人、配偶者、孫3人等)より多くの人に贈与することで基礎控除を有効に活用することができます。

(参考)贈与税を支払うパターン

・父が子どもへ80万円の贈与、同年に祖母から子ども(祖母からみたら孫)へ70万円の贈与をした場合、父と祖母はそれぞれ110万円の基礎控除額の範囲で贈与しましたが、もらった子どもは150万円の贈与を受けたことになるので子どもは贈与税を納税する必要があります。

・祖父から孫に3月に30万円の贈与、同年の6月に祖母から同じ孫に100万円の贈与をした場合は1年間のうちに130万円の贈与を受けたことになるので、孫は贈与税を納税する必要があります。

(参考)贈与税の支払いが不要なパターン

・父が妻と子どもへそれぞれ100万円の贈与をした場合、妻も子どもも贈与税はかかりません。

(2)相続時精算課税制度

この制度は相続財産を前もって渡すという意味合いで、2,500万円の特別控除があります。2,500万円までは贈与税がかかりませんが、超えた場合は一律で20%の贈与税が課税されます。贈与の回数は何回かに分けたとしても2500万円までであれば特別控除が適用されます。

制度利用の要件まとめ

・贈与する人:贈与した年の1月1日において満60歳以上

(※贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はなし)

・贈与を受ける人:20歳以上の子どもや孫

(※人数の制限はなし)

・必要な手続き:贈与税の申告期間内に「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して提出

(※贈与をうける人の戸籍謄本などの書類も必要)

この制度はデメリットもあるので注意が必要です。

【相続税に注意】

この制度は「相続時に精算して課税する」ものです。相続が発生したらに相続時精算課税制度を使って贈与した財産も相続財産に含めて相続税を計算すると決められています。そのため贈与時には2,500万円以内で贈与税がかからなくても、相続時の相続財産(贈与を受けた分も含める)が相続の基礎控除額を超えた場合は相続税が発生します。

【小規模宅地の特例が受けられない】

相続または遺贈により取得した財産に限り、小規模宅地等の減額の特例が適用されます。つまり、相続時精算課税制度により自宅を生前贈与してもらうと、相続発生時は小規模宅地の特例を受けることはできません。

※小規模宅地の特例:亡くなった人の自宅や事業に使われていた土地に対し、一定の要件を満たすと相続時の評価額を減額できる制度

【暦年課税に変更不可】

相続時精算課税はいったん選択すると選択した年以後、贈与する人が亡くなる時(相続発生時)まで継続して適用され、暦年課税に変更することはできません。

この制度のメリットはやはり2,500万円もの多額の財産を非課税で贈与できることです。相続発生時までに納税資金を貯めておき、納税を先延ばしにできます。そして、相続が発生した際も相続財産が相続の基礎控除額の範囲内であれば、相続税を納める必要もありません。

また相続が発生した際に、相続時精算課税制度で贈与をした財産が土地や建物の場合、贈与時の評価額を採用するので、贈与をしたときよりも財産の価値が上がっていたら、結果的に節税になります。さらに、アパートなどの収益賃貸物件を相続時精算課税制度で贈与すると、贈与後の収益はもらった側のものとなります。この収益部分は相続財産とみなされないため、相続税はかかりません。

(3)教育資金の一括贈与の非課税制度

祖父母等(曾祖父母、両親も可)から、孫または子どもに教育資金を1,500万円まで非課税で一括贈与できる制度です。1,500万円に達するまで後から追加をすることもできます。贈与を受ける側の子どもまたは孫一人につき、1,500万円の限度額内であれば両親、祖父母など複数から非課税で贈与を受けることができます。また、孫が3人いる場合はそれぞれ1,500万円、合計4,500万円まで贈与をすることができます。その分、相続財産が減ることになり、相続税も減らすことができます。

具体的な方法は、贈与する資金で信託銀行などの金融機関に子どもや孫名義の口座を開設します。そして金融機関を通して資金を使います。金融機関は資金がきちんと教育費に使われることを領収書等によりチェックします。教育資金と目的が限定されているので注意が必要です。保育園・幼稚園から大学院までの間の入学試験代、入学金、授業料、施設整備費、学用品等が対象です。適用範囲を確認してから利用しましょう。利用の際には必ず領収書が必要ですので注意しましょう。

適用範囲については以下を参考にしてください。

【文部科学省Webサイト】

http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/zeisei/1332772.htm

制度利用の要件まとめ

・適用期間:平成25年4月1日から平成31年3月31日

・目的:30歳未満の子どもや孫等の教育資金

・対象:子どもや孫1人につき1,500万円(塾・習い事など学校以外は500万円)

・方法:信託銀行・銀行・証券会社等の金融機関との間で契約を締結し、口座を開設

(4)贈与税配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦に限り、国内の居住用不動産2,000万円までの贈与であれば贈与税が課税されないという制度です。(1)で触れた年間で110万円の基礎控除と併用することが可能ですので、合計2,110万円の贈与ができます。

制度利用の要件まとめ

・同じ配偶者からは一生に一度だけ適用

・居住用不動産を購入するつもりで贈与を受けたが、賃貸用として使用する場合は適用外

・贈与を受けても居住しない、またはすぐ売却する予定で住む場合には適用外

shutterstock_234522640

生前贈与の注意点

生前贈与の活用方法を紹介しましたが、それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。制度をきちんと理解しないと、控除にあてはまらずに多額の贈与税を支払うことになります。また自分の資産総額の正確な把握や贈与する相手やタイミングの適正など判断が難しい場合があります。その際は、ファイナンシャルプランナーなど相続の知識が豊富な専門家に相談することもおすすめです。

また贈与は契約なので、贈与する側と贈与される側の合意が必要です。第三者に証明できるよう、きちんと贈与契約書を作成し、書面に残しておきましょう。実際に贈与を行う場合は記録に残る口座振込みを利用し、名義変更が必要な贈与は必ず名義変更を手続きすることが大切です。

贈与と認められない場合は贈与税がかかります。特に贈与を受けた孫が資金を自由に使えず、両親が口座を管理している場合は贈与とみなされません。また、口座の名義を孫にして毎月その口座に入金をしていたとしても贈与側が口座を管理し、成人や結婚を期に孫に通帳や印鑑を渡した場合は一括贈与とみなされる場合があります。贈与税は贈与を受けた側が支払わなくてはいけません。贈与税まで負担すると、その負担した贈与税も贈与とみなされます。

贈与税がかからない贈与って?

贈与の目的によっては、贈与税がかからないものもあります。父母や祖父母など扶養義務者から生活費や教育費など社会通念上妥当と認められるものは贈与税の課税対象になりません。

以下が民法で扶養義務者として規定されています。

・配偶者(夫または妻)

・直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母)

・直系卑属(子、孫、曾孫)

・兄弟姉妹

・三親等内の親族で同一生計を営む者

非課税として扱われる贈与の範囲は生活費と教育費ですが、社会通念上妥当と認められるものに限られるので、金額が多すぎる場合は認められません。(※贈与とみなされて課税される場合があります。)生活費として認められるものは日常生活に必要な費用全般、仕送りや賃料、結婚費用や出産費用です。教育費として認められるものは教育に係る費用で、教材費、文具代、通学用の交通費、学級費、修学旅行費、学習塾の月謝、受験費用なども含まれます。

贈与は次の世代を育てるために

平成25年度の税制改正では20歳以上の子どもや孫に対する贈与に関して、特例による減税や教育目的の贈与に関する制度が新設されました。高齢者世代が保有する財産を早い段階で、若者世代に移転させることを図った施策です。大切な財産を上手に活用することによって次の世代を担う若者をサポートができます。自分に合った方法で生前贈与を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事は2016年9月12日現在の情報をもとに作成しています。


あわせて読みたい記事:「遺産を相続できるのはどんな人?


【PR】相続で失敗したくない!相続専門の税理士を無料で紹介

【PR】保険マンモスが運営する保険ショップ選びサイト「保険ショップマンモス」


PR:キャンペーン実施中!


この記事が気に入ったら いいね♪

この記事が気に入ったら
いいね♪

MoneyMotto!の最新情報をお届けします

:この記事をシェア