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ゴジラが現実にあらわれたら保険はどうなる?
ゴジラの最新作「シン・ゴジラ」があちこちで話題になっています。
あまりに評判が高いので気になって観てきましたが、いやー、凄かった。
今まで観た邦画の中でもNo.1レベルの面白さでした。
怪獣映画であんなに強烈なメッセージ、恐怖、興奮、感動を覚えるとは思わなかったです。
いろいろなサイトやブログにレビューがありますが、もしまだ観てない人がいたら、ぜひ何も情報を得ないまま映画館に向かってもらいたいですね。
ところで。
現実にゴジラが現れたら、壊されたビルや家屋は補償が受けられるのでしょうか。
亡くなったりケガした人への支払いは行われるのでしょうか。
ちょっと考えてみたいと思いました。
支払いの可能性が高いと思われるケース
以前、大型動物によって家や車が壊されたら保険はおりるのか、某損保会社に問い合わせたことがあります。
担当者によると、一般的に動物は「モノ」として扱われるとのこと。
そのため家屋であれば火災保険の「物体の落下・飛来・衝突など」に該当して支払われることが多く、自動車でも動物との衝突は単独事故と同じ扱いとなるので車両保険に加入していれば補償されるとの回答でした。
同様に考えると、たとえゴジラであっても「大型生物のひとつ」と定義するならば、家やビルが踏み潰されて破壊された被害については「物体の落下・飛来・衝突など」に対する補償として、支払いの対象になると考えるのが妥当です。
また生命保険や傷害保険も、動物に襲われての負傷だと保障がされないということはないはずですから、こちらも支払い対象になるはずです。
昭和29年の初代ゴジラなどは「ジュラ紀の生物」という設定ですし、こちらのケースとして処理されるのではないかな、と考えます。
支払いの可能性が低いと思われるケース
火災保険のパンフレットには、保険金を支払えない場合として以下のようにあります。
“戦争、内乱、その他これらに類似の事変”
“地震・噴火またはこれらによる津波”
ゴジラはこれらに該当しないように見えますが、最新作で政府が戦争状態に近いと判断をしていたことからも、地震や噴火と同じような天変地異、または戦争に近しい事変として定義される可能性は高いかと思います。
この場合は当然、免責事項として支払いの対象外となります。
ただ対応に納得できない人も多いでしょうから、各地で支払いを求める裁判が相次いで起こることが予想されます。
またゴジラが存在する世の中では、保険商品も怪獣による被害を想定して開発し直され、火災保険の免責事項は以下のように変わっているかもしれません。
“戦争、内乱、有害怪獣駆除、その他これらに類似の事変”
“地震・噴火、ゴジラやこれに類する巨大生物による災害、またはこれらによる津波”
生命保険についても、支払いを期待するのは難しいと思います。
東日本大震災や熊本地震のような大災害で生命保険の支払いが行われた実績はありますが、あくまで温情判断による例外であって保険会社に保障の義務はありません。
被害額が莫大になれば状況は違ってくるはずです。
そもそも『シン・ゴジラ』では保険会社の本社自体が破壊され尽くしたように見えますから、支払いがどうこうと言うより保険会社の存続が危惧されます。
そのほか、撃退のために自衛隊が発射した砲弾やミサイルなどによって受けた被害についても、「戦争、内乱、その他これらに類似の事変」の該当となり補償はされないでしょう。
このようにゴジラの定義によっては、既存の保険では支払い対応ができないケースが多くあります。
こういった様々な被害に対処するために、もしかしたら専門の保険が新たに開発されるかもしれません。
直球の名前を付けると「ゴジラ保険」、いや、それだとキングギドラやモスラには対応できない気がするので「怪獣保険」ですかね。
終わりに
繰り返しになりますが、ゴジラを大型生物にすぎないと定義するか天変地異のようなものと定義するかによって、保険会社の対応はまったく変わってくると思います。
その際の支払い判断については、実際にゴジラが出現しないことにはなんとも言えませんが、それぞれ上記のようなものになるのではないでしょうか。
またゴジラは極端な例ですが、加入している保険でどんなときに支払いがされるのかまたされないのか、しっかり把握している人は少ないと思います。
イザというときに備えて、契約内容は細かくチェックしておきましょう。
(あべし)
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