消費税増税で保険料はどうなる?第1部~生命保険と損害保険~

10月スタートの消費税増税で保険料は上がるの?

こんにちは。Money Motto!編集部です。

消費税が10%となる増税まで残り1ヶ月ほどになりました。消費税の増税は、5%→8%になった2014年の増税から5年ぶりです。今回の増税は飲食料品などに「軽減税率」が適用されるという少し特殊なもの。従来の食品などは基本的には8%のままですが、軽減税率の対象にならない酒類や店内飲食・コンビニや売店で買う新聞(定期購読契約していないもの)などの消費税が10%に引き上げられます。

そこで気になるのが、ほとんどの人が加入している保険(生命・損害)です。保険料は毎月支払いが発生するものですし、消費税増税の影響を受けるのであれば、家計にも大きな影響を与えます。

今回は消費税と保険料の関係を紐解きながら、理解を深めておきましょう。

保険料は非課税

結論から言うと、保険料は“非課税”対象なので、消費税増税により直接保険料が上がることはありません。

そもそも「消費税」には、課税対象と非課税対象が分けられていて、課税の対象となるのは基本的に以下の2つに分類されます。

  1. 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等
  2. 外国貨物の引取り

1の「業者が事業として対価を得て行う取引」とは、消費者が事業者にお金を払って物を買ったりサービスを受けたりすることで、2の「外国貨物の取引」は輸入などを指します。

保険料は1の「対価を得て行う取引」に該当する取引ですが、消費税の性格上、課税の対象としてふさわしくないものや社会的政策の観点から適当でないものとされ、課税対象から外されているのです。

消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。

(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など

(出典:国税庁 “№.6201 非課税となる取引“)

つまり、現在支払っている保険料はもともと消費税がかからないので、増税となっても保険料が直接値上がりすることはないということですね。

保険金の受け取りや解約返戻金は?

保険金や解約返戻金は、寄付金や見舞金のように対価を得ない取引に該当し、基本的には不課税対象となるので、いずれも消費税はかかりません。

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供(以下「資産の譲渡等」といいます。)が課税の対象となります。したがって、次のような取引は、課税の対象となりません。

(4) 保険金や共済金・・・・資産の譲渡等の対価といえない

(出典:国税庁“No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例”)

非課税との違いは、非課税は消費税がかかる取引の中でなじまないものが対象外となるのに対し、不課税はそもそも消費税のかからない取引であるということです。(参考:国税庁公式サイト)

ただし、受取人が役員や従業員の場合は「所得税」の対象となる場合や、受取人が会社の場合は「法人税」の対象となります。

自動車保険の“免責”は課税の対象になる

注意しておきたいのが、自動車保険等の免責金額(自己負担額)です。

免責金額(自己負担額)とは、契約した保険で保険金が支払われる事故が生じたときに、一定額を自己負担額として設定する金額のことです。一定額を負担することで、支払う保険金を安くできるというメリットがあります。

しかし、免責は支払った一定額が自動車の修繕費に当てられる“対価を得て行う取引”となるため、課税の対象になります。

そのため、消費税の増税により免責金額で支払う金額は、増税分が上乗せされてしまうということを覚えておきましょう。

自動車保険は保険料が値上げする可能性も

保険料や保険金自体には消費税がかからないため直接値上がりすることはありませんが、自動車保険に限っては間接的に値上がりする可能性があります。

2014年に消費税増税となったときは、後日、自動車保険料が引き上げられました。理由として、保険料は非課税対象ですが、代理店手数料や自動車の修理代、被害者の交通費等には消費税がかかるため、支払いコストが増えたことが考えられます。

確かに、入ってくるお金(保険料)は変わらないのに、出て行くお金(経費)には課税されたのであれば、保険料を上げなければ会社としての釣り合いがとれませんね。

一方、生命保険は原則、定額払い(死亡1000万円、入院費1万円など)なので、引き上げの影響には至らず、保険料の引き上げはありませんでした。

消費税増税は保険を見直すチャンス?

今回の消費税と保険料の関係は、基本的には「課税対象ではない」と切り分けて考えてください。ただ、直接的な関係はないにしろ、自動車保険のように保険の仕組みによっては保険料への影響があることは把握しておいた方がよいかもしれません。

確実に言えるのは、消費税が増税されることによって今までの生活には大きな影響があることが予想されるということ。家計への負担は間違いなく増えるので、別の部分で負担を減らすことを考えた方がよいでしょう。

たとえば生命保険の保険料は、保険の見直しで大きく減らせることがあります。

今回の消費税増税など、コントロールできない外部要因で大きく保険料や保険金が変わってくる自動車保険に対し、生命保険は加入時期や選ぶ保険商品などでの比較的コントロールできるもので保険料は変わってきます。

例で挙げると、終身保険は税率の変化等により、契約期間中に月々の保険料が上がることはありませんが、加入する時期(年齢)が早いと、保険料を支払う期間が長くなることや、保険会社が資産運用する期間が長くなることから、原則として月々の負担が軽くなります。

今回の消費税増税は、保険料や保険金には何が影響するのかを学ぶいい機会になったのではないでしょうか。普段は保険について深く考える機会がない人も、負担を減らす目的で、この機会に保険の見直しを検討してみるとよいかもしれませんね。


あわせて読みたい記事


【PR】1分でわかる!保険マンモスの「ネットで保険診断」

 

この記事が気に入ったら いいね♪

この記事が気に入ったら
いいね♪

MoneyMotto!の最新情報をお届けします

:この記事をシェア