円安時に外貨預金は有効か?メリット・デメリットや始め方について

「円安・ドル高」と最近ニュースやネットでよく耳や目にすることが増えましたが、そうなると「外貨預金を始めるなら今!」という広告も増えてきたなあと思いませんか?

なぜ円安になると外貨預金がおすすめなのでしょうか?

今回のコラムでは、円安時に外貨建て預金は有効なのか、メリットやデメリット、外貨預金の始め方などについてまとめたいと思います。

そもそも外貨預金とは?

外貨預金は、通常の普通預金とは異なり、「円」ではなく米ドル、ユーロ、豪ドル、カナダドル、スイスフランなどの外国通貨でお金を預ける銀行口座の一種です。

外貨預金は、日本国内で外国通貨を保有したい人々や、将来の海外旅行や海外ビジネスに備えたい人々にとって魅力的な選択肢です。

では、外貨預金にはどんなメリットがあって、逆にどんなデメリットがあるのでしょうか。

外貨預金のメリット

外貨預金には魅力的な側面がいくつかあります。

円安になれば為替差益が見込める

円安が進行すると、日本円は他の通貨に比べて価値が低下します。

しかし、外貨預金を持っていれば、外国通貨で資産を保有しているため、円安による損失を軽減でき、逆に為替差益を得ることができる可能性があります。

円高で預け入れ、円安で引き出すことができれば一番いいのですが、なかなかそのタイミングは難しいところでもあります。

円預金より高い金利が狙える

日本の円預金は未曾有の低金利が続いていますが、外貨預金は円預金に比べて高金利が狙える可能性があります。

もちろん為替による損益に見極めは必要ですが、預け入れや引き出しのタイミングさえ間違わなければ円預金より魅力的なのは間違いありません。

海外での支出への備えになる

外貨預金を持っていると、海外での支出や旅行に必要な外貨を手元に持っていることができます。

円安の際には、外貨を利用することで為替差損を避けることができ(価値が上がり)、海外でお金を効果的に使うことができるようになります。

通貨に多様性を持たせ価格変動に備えられる

外貨預金を通じて、複数の通貨を保有することができると、リスクを分散することができて、通貨の価値変動に対する耐性を高めることができます。

例えば、米ドル、ユーロ、豪ドルなど、異なる通貨を組み合わせてポートフォリオを構築することで、どれかひとつの価値が下がったとしてもトータルでカバーすることができるようになります。

外貨預金のデメリット

一方で、外貨預金にはデメリットも存在します。以下はその一部です。

為替リスクがある

外貨預金には常に為替変動のリスクがつきまといます。

外国通貨の価値が上昇しない限り(円安)、リターンを得ることが難しい場合があります。

また、逆に外国通貨の価値が下がれば(円高)、為替差損が発生する可能性があります。

特に外貨預金を引き出すとき、円安であれば多くの日本円を得るチャンスがありますが、円高のタイミングでは元本を割る可能性もあることを覚えておきましょう。

為替手数料がかかる

外貨預金を行う際には、為替手数料に注意が必要です。

日本円を外貨に交換する際、または外貨を日本円に交換する際には、手数料が発生することがあります。

外貨預金を始める際には、金利が高いところを選ぶことも大切ですが、為替手数料が安いところを選ぶことも忘れてはいけません。

預金保険の対象外であること

日本円の預金は預金保険の対象ですが、外貨預金は対象外です。

預金保険とは、銀行が破綻した場合でも元本1000万円とその利息が保護されるというものです。

外貨預金は預金保険の対象外ですので、信頼できる金融機関を選ぶことが大切です。

外貨預金の始め方

では次に、外貨預金を行う際の具体的な始め方についても考えてみましょう。

目標とリスク許容度を明確にする

外貨預金を選ぶ前に、自分の資産目標やリスク許容度を明確にしましょう。

資産の一部を外貨預金に割り当てることで、リスクを分散し、資産を守る役割を果たすことができますが、配分を間違えてしまうと損をしてしまった場合に生活に支障をきたす可能性もあります。

外貨預金を始めるときは、どれくらい貯めたいかと、どこまで預けられるかをしっかりと考えることが必要です。

通貨の安定性を確認する

外貨預金の通貨選びにおいては、安定性を見ることが重要です。

安定している通貨はリスクが低い傾向があります。例えば、米ドルやユーロは安定している通貨として知られていますので、特に外貨預金の初心者は米ドルやユーロから始めるといいでしょう。

金利を比較する

外貨預金の金利は通貨ごとに異なります。金利が高い通貨を選ぶことで、リターンを最大化することができます。

また、同じ通貨でも金利が金融機関ごとに異なる場合がありますので、少しでも高い金利の金融機関を選ぶことも大切です。

通貨の将来の見通しを考慮する

通貨の価値は経済状況や政治的な要因に影響されます。

いくら金利の高い通貨でも、国の情勢が不安定だったり過去に通貨の価値が乱高下した経験があるような通貨は将来の安定性に欠けているかもしれません。

外貨預金を始める際には、金利の高さだけで選ぶのではなく、将来の通貨の見通しを考慮してどこで始めるか、どの通貨にするかを決めるといいでしょう。

実際に外貨預金口座を選び定期的にチェックする

外貨預金は金融機関ごとに取り扱い条件が異なります。

取り扱い通貨の種類、金利、為替手数料、取引のしやすさ、サービスの品質などを比較し、適切な金融機関を選びましょう。

外貨預金を開設したら、為替の変動を定期的にモニタリングしましょう。

通貨の価値が変動すれば、別の通貨に切り替えたり日本円に戻す選択肢も出てくるでしょう。

必要に応じてこのような調整を行いつつ、資産を守りながら最適なリターンを追求しましょう。

外貨預金のメリット・デメリットを確認してはじめよう

円安対策としての外貨預金は、資産を守るための有効な手段として注目されています。

しかし、外貨預金を活用する際には、金利、手数料、為替リスクなどリサーチと情報収集、定期的なレビューなどが重要です。

外貨預金の魅力とリスクを理解し、適切に活用することで、円安時にも資産を守りながら安定した資産成長を実現していきましょう。

※本記事は2023年10月現在の情報をもとに作成しています。


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