どうしよう?NISAで買った株・投信

投資イメージ

もうすぐNISA(1年目)の非課税期間満了

こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。

2014年1月にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)。5年間にわたって上場株式や投資信託の値上がり益と配当金(分配金)が非課税になるというメリットが個人投資家に支持され、今年の6月末にはNISAの口座数(つみたてNISA・ジュニアNISAを含む)が約1,200万件に達しました。

今年は非課税期間の5年目にあたる年。2014年から株式や投資信託を保有し続けている人は、今後それらをどうするか決める必要があります。

選択肢は3つ

金融庁の資料によると、2014年末のNISA口座数は約825万件、口座稼働率は45.5%でした。単純計算でも、非課税期間満了によって約375万人(口座)が影響を受けることになります。

非課税期間満了後の選択肢はつぎの3つです。

・課税口座に移管する

何もしないでいると、自動的に課税口座(特別口座・一般口座)に移管されてしまいます。課税口座に移管されると、年末時点の時価が移管時の取得コストとなります。その後値上がりして売却した場合は利益に対して課税がおこなわれ、値下がりして売却した場合は損失を他の株式等と損益通算ができます。配当金(分配金)にも課税がおこなわれます。

例1
2014年に銘柄Aを100万円で取得、年末時点で150万円に値上がり(含み益50万円)
移管時の取得コスト:150万円

・その後180万円に値上がりして売却
 → 利益(30万円)に対して課税

・その後90万円に値下がりして売却
 → 損失(60万円)をほかの株式等と損益通算できる

例2
2014年に銘柄Aを100万円で取得、年末時点で80万円に値下がり(含み損20万円)
移管時の取得コスト:80万円

・その後90万円に値上がりして売却
 → 利益(10万円)に対して課税
※当初の取得額(100万円)からみると損だが、課税口座での値上がり分が利益とみなされる

・その後70万円に値下がりして売却
 → 損失(10万円)をほかの株式等と損益通算できる

・翌年のNISA口座に繰り越す(ロールオーバー)

保有中の株式・投資信託を非課税で保有し続けたい場合は、ロールオーバーによって翌年のNISA枠に移すことができます。ロールオーバーをすると、翌年のNISA使用枠(120万円)が減額されます。
また、ロールオーバーできる金額に上限はなく、たとえば、2014年に100万円で取得した銘柄が1,000万円に値上がりした場合は、1,000万円をまるまるロールオーバーできます。

ロールオーバーをするには、手続きが必要です。今月末が手続き期限となっている金融機関が多数あるので、NISA口座のある証券会社や銀行等に確認してみましょう。

・年内に売却する

年内に売却する場合は、受渡日に気をつけましょう。
国内株式の年内最終取引日(受渡日ベース):12月25日
投資信託は、ファンドによって異なる

売るべきか?持つべきか?それが問題だ!

3つの選択肢のうちどれを選ぶべきかは、置かれている状況によって判断が分かれます。

以下、投資歴十数年、AFPの資格を持つみやこの個人的な考えを述べますと…

課税口座に移管するほうがいい場合

・売る気はないが、移管手続きがめんどうだ
・来年のNISA枠で買いたい商品がある

ロールオーバーするほうがいい場合

・保有している株式・投信などがさらに上昇すると予想している
・保有している株式の配当金目当てでNISAを利用している
・ほかに保有したい商品がこれといってない

売却するほうがいい場合

・決まった出費があるので、現金を確保しておきたい
・保有している株式・投信がこれ以上値上がりしないと予想している
・含み損が発生しており、さらに値下がりするのではないかと不安でならない
・来年のNISA枠で買いたい商品がある

いったん株式や投信を購入したら、そのあと考えることは一つだけ。いつまで保有するか。つまり、いつ売るかということです。この選択を自分でできることが、投資のおもしろさでもあります。

ロールオーバーに関するよくある誤解

ロールオーバーに関するよくある誤解をQ&A形式でまとめました。これから手続きをする人はご一読を!

Q: 今年からつみたてNISAに変更する予定です。いままで一般NISA口座で購入した商品はどうなりますか?
A: 現在つみたてNISAを利用している場合は、ロールオーバーができません。売却か課税口座への移管をおこなってください。また、NISAとつみたてNISAの区分は1年ごとに変更することができます。翌年からNISAに変更する場合は、ロールオーバーとは別に区分変更の申し込みが必要です。

Q: NISA口座に複数の銘柄を保有しています。ロールオーバーをする場合、これらを全部移管しなければなりませんか?
A: NISA口座に保有中の株式・投信は、銘柄ごとにロールオーバーするかしないかの選択ができます。ロールオーバーは、数量を指定することはできません。

例3
・ロールオーバーできるケース
保有銘柄:銘柄A(株式)、銘柄B(株式)、銘柄C(株式)、銘柄D(投資信託)

銘柄A:ロールオーバー
銘柄B:ロールオーバー
銘柄C:課税口座(特別口座)
銘柄D:ロールオーバー

例4
・ロールオーバーできないケース
保有銘柄:銘柄A(株式 1,000株)

銘柄A(600株):ロールオーバー
銘柄A(400株):課税口座

Q: ロールオーバーの手続きをしたあとに売却することはできますか?
A: 手続き後であっても年内に売却することができます。すべて売却した場合は、ロールオーバーはされません。

※本記事は、投資の勧誘や推奨を目的とするものではありません。


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