4月からの新生活に向けて、引っ越しが増えるシーズンです。
賃貸住宅から引っ越しをする際にありがちなのが、「原状回復費用」として、高額な退去費を請求されること。
実はこの請求額に、入居者が払う必要のない費用が入っている場合があることを知っていましたか?
今回は引っ越しをするときに絶対に知っておきたい、退去費用の相場や値引き交渉のコツ、トラブルが起きたときの相談先をご紹介します。
知らないと大損をすることもあるので、ぜひご覧ください!
退去費用の請求額は平均6万3,283円
ある調査※1によると、賃貸物件の退去時に請求された退去費用の平均額は6万3,283円でした。
部屋の間取り、居住年数ごとの退去費用の平均請求額は次のとおり。
間取り | 平均請求額 |
---|---|
ワンルーム/1K/1DK/1LDK | 49,980円 |
2K/2DK/2LDK | 79,924円 |
3DK/3LDK/4K/4DK/4LDK | 90,139円 |
居住年数 | 平均請求額 |
---|---|
~3年 | 49,431円 |
4年~6年 | 61,694円 |
7年~ | 87,090円 |
平均6万円を超える請求額。この金額は、妥当な金額といえるのでしょうか?
高額な請求をされたら値下げ交渉を!
過剰請求なら退去費用を安くできる可能性が高い
請求された金額のすべてが、入居者が支払う責任のある金額とは限りません。
本来は大家が負担するべき修繕費を入居者に請求しているケースもあるようです。
先述の調査※1では、退去費用の交渉をした人の81.3%が値下げに成功しています。退去費用の交渉をした人としなかった人の差額は平均2万7,045円でした。
退去費用が高すぎると思ったら、請求内容におかしいところがないかを確認して、過剰な請求項目があれば大家や管理会社に値下げ交渉をしましょう。
納得できない場合は簡単に了承のサインをしてはいけません。
値下げ交渉では「ガイドライン」を知らないと絶対不利!
値下げ交渉のときには、「この請求項目は払う必要がない」「この範囲は対象外のはず」という根拠を示さないと、言いくるめられてしまいがち。
それを防ぐために、国土交通省が発表している原状回復のガイドラインを読んで、理論武装をしておきましょう。
退去費用の値引き交渉をした人のうち、ガイドラインを知っていた人は平均6万4,916円の値引きに成功しています※1。
退去費用の交渉をした人としなかった人の差額は平均2万7,045円なので、「ガイドラインを知っていれば値下げ幅を大きくできる可能性が高い」と言えます。
自然についた傷や汚れの修繕費は払わなくてもよい
国土交通省のガイドラインによると、普通に住んでいるなかで自然にできた傷や汚れは「経年変化」として、入居者は修繕費を負担する必要はないものとされています。
代金を支払う必要がない修繕の例
- 部屋全体のハウスクリーニング
- 畳の裏返し、表替え
- フローリングのワックスがけ
- 床、カーペットについた家具の跡
- 壁紙の日焼け
- 冷蔵庫などの後ろについた壁の黒ずみ
- 壁に空いた画鋲の穴
- エアコン設置による壁のビス穴
- 鍵の取替え
請求内容に上のような項目があれば、「ガイドラインでは払う必要がないはず」と指摘しましょう。
ガイドラインの詳細は、国土交通省のサイトでご確認ください。
ただし、故意・過失でできた傷や汚れについては修繕費を支払う必要があります。
請求書を見るときのポイント
あいまいな請求項目に注意
悪質な業者の場合、消費者の無知につけこんで、でたらめな請求書を出してくることもあります。
たとえば請求書の項目欄が「フローリング:10万円」のようなあいまいな書き方になっている場合は、「フローリングについて何をするお金なのか?修繕範囲はどこか?」を確認しましょう。
ワックスがけ費用や、あなたが傷をつけていない箇所の貼り替え代が入っているかもしれません。
修繕費の相場
退去時にかかる各費用の相場は以下のとおりです※2。
- ハウスクリーニング費用
ワンルーム、1K:15,000~30,000円
1DK、1LDK :20,000~40,000円
2DK、2LDK :30,000~50,000円 - 壁紙の貼り替え:1m2あたり1,000~1,500円
- 壁・天井ボード取り替え:30,000~60,000円
- 床材のクリーニング:15,000~25,000円
- 床材の貼り替え:8,000~10,000円
- 水垢・カビクリーニング:5,000~20,000円
- キッチンのクリーニング:15,000~25,000円
材質や汚れの程度、範囲によって値段が変わりますので、目安として参考にしてください。
退去費用などのトラブルの相談先
退去費用などのトラブルに関して、無料で相談できる窓口があります。
不当な請求かどうか判断がつかない場合は、相談をしてアドバイスを受けるとよいでしょう。
主な相談先
まとめ
賃貸住宅の引っ越しの際は、退去費用の値下げ交渉をすれば、何万円も安くできる可能性があります。
退去費の請求書の内容にあいまいなところやおかしいところがないか、必ずチェックしましょう。
値引き交渉の際は国土交通省のガイドラインをもとに、おかしい点を指摘していくと主張が通りやすくなります。
交渉をしても納得できない場合は、相談窓口を利用するとアドバイスをもらえます。
働いて得た大切なお金を守るために、消費者側も知識を持って自衛することが必要です。
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※1出典:株式会社プラスワン「アトムくん」調査
※2出典:不動産情報サイト「at home」
※本記事は2021年3月現在の情報をもとに作成しています。
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