部屋を借りる前に知っておきたいお金の話

引越しダンボール

まとまったお金が必要な引越し

こんにちは。Money Motto!ライターのトリです。もうすぐ春ですね。この時期は大学入学や就職するための引越し、異動に伴う転勤で引越しをする方も多いのではないでしょうか。家を借りるためには、まとまったお金が必要になります。あらかじめ、どのくらいのお金がかかるのか総額を把握してから、無理のない引越し計画を立てましょう。

部屋を借りるときに覚えておきたい用語と意味

部屋を借りるとき、多くは不動産会社を通じて手続きをします。担当者が十分な説明をしてくれない場合もあります。わからないことをそのままにして契約をしてしまうと、後々にトラブルになることもあります。また、支払うお金の中には、返ってくるものと返ってこないものがあります。違いをしっかり頭にいれておきましょう。そして、契約手続きを進めているときに、疑問に感じることがあった場合は、遠慮せずに担当者に質問をすることが大切です。よく使われる用語と意味、ワンポイントアドバイスをまとめました。

※借主:家を借りる人、貸主:大家さん、部屋の持ち主

【家賃:】☆返ってこないもの
賃貸物件を使用する際に借主が貸主に対価として支払うもの。通常1ヶ月分で多くが前払い制を採用している。また契約開始や終了時期が月途中の場合は、日割り計算を用いる。
例)3月20日から賃貸する場合、契約時には3月20日から31日までの日割り家賃と4月分の家賃を支払う

(ワンポイントアドバイス)
※居住を目的とした物件の家賃に消費税はかかりません。(非課税)
※前払い制のため、4月から住むのに3月の上旬から契約を開始すると最初に約2ヶ月分の家賃が発生します。契約開始日に注意しましょう。

【共益費(管理費):】☆返ってこないもの
賃貸の場合、共益費と管理費は同じような意味合いで使われるが、若干の違いがある。共益費は、共用部分(廊下やエントランス、エレベーターなど)を維持管理するために必要とされる電気代や水道代、清掃費用など具体的な経費を指す。管理費は物件全体を管理するためとされている場合が多く、使用目的は漠然としている。共益費(管理費)が設定されている場合は、毎月支払う必要がある。

(ワンポイントアドバイス)
家賃と管理費(共益費)を足した額が毎月支払う金額です。家賃が75,000円で共益費(管理費)が5,000円の場合、月に支払う金額は80,000円です。予算オーバーをしていないか確認することが大切です。※分譲マンションの管理費とは意味合いが異なります。

【フリーレント:】
入居後の1ヶ月から3ヶ月程度の家賃を無料とする契約形態。初期費用を抑えることができるメリットがあるが、一定期間の契約が必須で、途中解約時に違約金が発生したり、フリーレント期間に相当する家賃の総額を支払わないと解約できない場合がある。契約期間や途中解約時の条件は事前に必ず確認を。

(ワンポイントアドバイス)
総額でいくらぐらい安くなるのかあらかじめ計算してみましょう。月100,000円の家賃の部屋を2年間借りた場合
・通常:月100,000円☓24ヶ月=総額2,400,000円
・2ヶ月フリーレントの場合:月100,000円☓22ヶ月=総額2,200,000円
月91,667円となり、月8,333円家賃が安くなります。

【敷金:】★返ってくる可能性があるもの
借主に何かがあったときのために貸主に預けておくお金。例えば、家賃の未納、通常の使用を超えた使用方法で損耗した箇所を復旧する場合に使われる。本来は原状回復費用に充てるためのお金ではない。敷金は貸主が有利な解釈をしている場合が多く、トラブルが起きやすい。

(ワンポイントアドバイス)
敷金は返ってこないものではないので、不動産会社に過去の退去時の精算状況を確認しておくことが大切です。また、平成16年10月1日より賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)が施行されました。この条例は、住宅の賃貸借に係る紛争防止のため、原状回復等に関する原則や考え方を宅地建物取引業者が説明することを東京都が義務付けたものです。覚えておくとよいでしょう。

【礼金:】☆返ってこないもの
礼金は最初に借りる時に借主が貸主に払う費用で、返ってこないもの。これは戦後、住居が不足していたときに、家を借りられることになった人が貸してくれる人にお礼を支払ったことが由来と言われている。(主に関東地方で広まる)後に、礼金を支払うことが慣習となり、払わなくては借りられないという意味合いをもつようになった。相場は家賃のニヶ月分。

(ワンポイントアドバイス)
最近では、住宅が飽和状態であることや不景気の影響で礼金を一ヶ月分にしたり、なくしたりすることも増えてきました。人気のエリアや引越しの繁忙期以外で家を探す場合、交渉の余地があるかもしれません。

【仲介手数料:】☆返ってこないもの
部屋を探してくれた不動産会社に支払う手数料。家賃の1ヶ月分というのが一般的。最近では、キャンペーンで無料や半額にしている会社もある。

(ワンポイントアドバイス)
仲介手数料は課税対象なので、別途消費税がかかります。

【火災保険:】☆返ってこないもの
一般に火災保険と呼ばれているが、借主が加入するのは「家財保険」と「借家人賠償責任保険」の二つ。借りている部屋が火災になってしまったときなどは、借主が貸主に対して法律上の損害賠償責任を負う場合があるため。多くの場合、契約条件に火災保険の加入が義務づけられている。

(ワンポイントアドバイス)
保険商品によっては、特約で鍵や水周りのトラブルの応急処置サービスや健康相談サービスなどがついている場合があります。困ったときに保険を活用できるので、保障内容はしっかり確認しましょう。また、不動産会社から紹介されたものではなく、ご自身で探したものに加入しても構いません。(※保険証券コピーの提出を求められる場合があります。)

【連帯保証会社利用料:】☆返ってこないもの
家を借りる際には、親族等の連帯保証人をたてることを求められる。連帯保証人に該当する人がいない場合、連帯保証会社に利用料を支払うことで、連帯保証人の代わりをお願いできる。利用料は連帯保証会社や物件により異なるが家賃の30%~70%、家賃一ヶ月分、月1,000円、条件に関わらず固定で1万円~3万円と様々。

(ワンポイントアドバイス)
「連帯保証人不要」となっている物件の多くはこの連帯保証会社の利用を義務づけている場合がほとんどです。引越しの初期費用を抑えたいのであれば、引越しの前に親族に連帯保証人になってもらえるようお願いしておくとよいでしょう。

【申込金、仮押さえ金、預かり金、手付金:】★返ってくる可能性があるもの
色々な名称があるが、すべて物件を仮押さえしたいときに支払うお金。家賃の一ヶ月分以内で設定される場合が多い。同じような意味で使われているが、タイミングによっては仮押さえを解除しても、戻ってこない場合があるので要注意。仮押さえをしたまま契約をすすめ、入居審査が通ると契約が成立したとみなされる。「手付金」として扱われ、契約解除を申し出ても戻らない場合がある。

(ワンポイントアドバイス)
仮押さえするときは、いつまでに仮押さえの解除をすれば支払ったお金が戻ってくるのか必ず確認をしましょう。入居審査が通ると契約書を交わしていなくても口頭で賃貸借契約が成立したとみなされます。そのまま契約をした場合は、契約にかかる費用と相殺されます。

【更新料、更新手数料:】☆返ってこないもの
多くがニ年間という期限で契約をしている。この期間が終了しても、住み続けたい場合は契約の更新が必要。その際に必要となるのが更新料で、多くが家賃の一ヶ月分。またさらに、更新手数料として家賃の0.5ヶ月分を不動産会社に支払う契約が多い。

(ワンポイントアドバイス)
二年毎に再契約しなくてはいけないので、結構な出費になります。更新料が設定されているかどうか契約時に必ず確認しましょう。最近は、長く住んでもらいたいという意向で更新料を相場より下げたり、設定しない貸主もいます。交渉の余地はあります。

賃貸借契約書

大阪特有の敷引きは減少傾向に

「大阪は賃貸物件の契約時にかかる初期費用が高い」という話を聞いたことはありますか。大阪で家を借りるときは、敷金や礼金ではなく、「保証金」「敷引き」という習慣があります。「保証金」は入居時に支払うもので家賃の6~8ヶ月が相場と言われています。「敷引き」は保証金の5~6割程度が設定されおり、退去する際に必要な原状回復費用を前もって決め、その分は返金されないという制度です。ところが最近、この大阪特有の商習慣が変わってきています。その背景として、2001年に施行された消費者契約法の第10条に違反するのではないかと裁判で争われることが多くなったこと、インターネットや全国チェーンの賃貸仲介会社が増えたことで地域特有の商習慣が平準化されてきたことが考えられます。

無駄遣いにご注意を

家を探すのは大変な一方で、新生活にわくわくしてしまいますよね。気持ちが先走って、インテリアもこだわりたい、電化製品もかっこよいものに買い換えたいなど、普段よりも財布の紐が緩みがちです。まずはしっかり引越しにかかるお金を把握し、準備をしておくことが大切です。引越しを済ませたら、しばらくは最低限の設備で新生活をはじめ、生活に慣れてきたら、必要なものを購入するようにしましょう。


 

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