【最新版】公立・私立高校の授業料無償化に必要!高校生向け助成金まとめ

こんにちは!Money Motto!編集部のよしのです。

2020年度から、私立高校授業料の“実質”無償化がスタートしました。所得制限があり全ての高校生の授業料が無償になるわけではないので、“実質”となっています。

授業料無償化には、返済不要の助成金の受給が必要です。

そこで、高校の授業料無償化に必要な助成金と、高校生活にかかる様々な費用を支援する助成金をまとめました。

まずは知っておきたい、返済不要の助成金3種類

高校の授業料やその他の費用への助成金で返済不要なものは主に下記の3種類。カッコ内は実施主体です。

 ①就学支援金(国)
 ②授業料軽減助成金(都道府県:名称は各自治体で異なる)
 ③奨学給付金(都道府県)

公立の授業料無償化には①就学支援金、私立の授業料無償化には①就学支援金と②授業料軽減助成金の併用が一般的です。

③奨学給付金は授業料無償化の申請とは別に、授業料以外の高校生活にかかる費用を支援する助成金です。

①就学支援金は国が実施をしており、支援金額や受給要件は全国で統一されています。

一方、②授業料軽減助成金や③奨学給付金は各都道府県が実施をしているため、受給要件や助成金額は各都道府県で異なります。

公立高校の授業料“ほぼ”全額無償化(就学支援金)

公立の授業料減免は、冒頭の助成金3種のうち①就学支援金を利用します。詳細は下記です。

支給対象者

就学支援金は、日本に在住し、世帯年収目安910万円未満で、主に下記の学校に在学している方が対象です。

<対象学校>文部科学省ウェブサイトより引用
・高等学校(全日制、定時制、通信制) ※専攻科・別科を除く
・中等教育学校の後期課程 ※専攻科・別科を除く
・特別支援学校の高等部
・高等専門学校(第一学年から第三学年まで)
・専修学校の高等課程
・専修学校の一般課程(高等学校入学資格者を入所資格とする国家資格者の養成施設)
・各種学校(高等学校入学資格者を入所資格とする国家資格者の養成施設及び告示で指定した外国人学校)

支援金額

支援金額は2020年度から拡充され、下記のようになります。

【全日制高校における就学支援金の支援金額

保護者の年収目安 就学支援金額
約910万円以上 対象外
約590万円~約910万円 118,800円
約270万円~約590万円 396,000円

※両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合の目安
国公立の高等専門学校(1~3年)は23万4600円が支給上限額

2018年度における公立の全日制高校の授業料平均は年間平均約12万円なので、世帯年収目安約910万円未満のご家庭では、公立高校(全日制)の授業料はほぼ無償と言えますね。

参考までに2019年度との違いは、下記が挙げられます。
・保護者の収入基準を、地方税の「所得割額」から保護者等の「課税所得」に変更
・年収約590万円未満世帯(モデル家庭)の上限額を引上げ
(年収590万円未満の世帯に支給されていた加算支給がなくなり、支援金額が一律に。引上げ後の支給額は、在校生(2020年度よりも前に入学した生徒)にも適用されます)

申込方法

申請時期が来たら学校から案内があります。申請を逃すと支援金を受給できませんので、ご注意ください。

新入生と在校生の申請時期等は下記です。

新入生
 4月以降、学校から案内があります。
 2020年4月から、一部の書類に限ってインターネットでの提出が可能になり、マイナンバーでの申請もできるようになりました。

在校生
 7月頃、学校から案内があります。
 既にマイナンバーによる手続きをしている場合、変更がなければマイナンバーカードの写し等の再提出は不要です。

私立高校の授業料は助成金の合わせ技で無償化へ

公立高校の場合は、国の就学支援金を利用して多くの世帯で授業料が無償になりました。

私立の場合は公立よりも授業料が高いため、就学支援金(上表参照)だけでは足りない場合が多くあります。

そこで、助成金3種のうち①就学支援金と②各都道府県の授業料助成金制度の2つを利用することで、授業料が無償に近づきます。ここでは東京都の例で説明します。

各都道府県の授業料軽減制度

国の就学支援金のほかに各都道府県でも、授業料を助成する制度があります。

名称は各都道府県で違い、例えば東京都の場合は「授業料軽減助成金」、埼玉県は「父母負担軽減事業補助制度」、大阪府は「授業料支援補助金制度」となります。

名称だけでなく、補助金額も都道府県ごとに違います。

支給対象者

支給対象要件についても各都道府県で違いがあります。

居住地と在籍している学校の所在地が違う場合は要件から外れてしまう場合があるため、詳細は各自治体にお問い合わせください。

東京都の授業料軽減助成金の場合、下記のような支給対象要件を設けています。東京都私学財団ウェブサイトより引用

生徒の保護者等で下記(1)~(3)のすべての要件に該当する方。

(1)保護者(申請者)と生徒が、2021年5月1日以前から申請時まで引き続き東京都内に居住している方

(2)次の1.~5.のいずれかの私立学校及び課程に在学する生徒の保護者
 ・私立高等学校(全日制課程、定時制課程、都認可通信制課程※)
 ・私立中等教育学校後期課程
 ・私立特別支援学校の高等部
 ・私立高等専門学校(1~3年)
 ・私立専修学校高等課程(1年6カ月制の場合は2020年10月入学者及び2021年4月入学者の保護者)
※NHK学園高等学校、大原学園高等学校、科学技術学園高等学校、北豊島高等学校、聖パウロ学園高等学校、東海大学付属望星高等学校、目黒日本大学高等学校、立志舎高等学校
(注)生徒非募集校を除く。

(3)「対象世帯及び軽減額」の対象世帯のいずれかに該当する方

※詳細・最新情報は東京都私学財団ウェブサイトをご参照ください。2020年の制度改正により、対象要件が変更になる場合があります

支給金額:東京都の例

東京都の授業料軽減助成金では2020年4月から世帯年収制限を引き上げ、世帯年収目安約760万円~約910万円未満のご家庭も助成対象になります。

2020年4月からの授業料軽減助成金と国の就学支援金を組み合わせて私立高校(全日制)の授業料の助成を受けると、下記のような受給金額になります。

【私立全日制高校における授業料の助成金※1例(東京都の場合)】

保護者の年収目安 就学支援金額 授業料軽減助成金
(東京都)
就学支援金+
授業料軽減助成金
(東京都)
約910万円以上※2 対象外 59,400円 59,400円
約590万円~約910万円 118,800円 350,200円 46万9千円
約270万円未満~約590万円 396,000円 73,000円

※1 両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合の目安
※2 扶養する23歳未満の子が3人以上の多子世帯が対象
・通信制私立高校(通信制)の支給上限額は29万7,000円
・注意!就学支援金については、令和2年4月~6月分の対象となる方の収入基準が、令和元年度と同様
 (都道府県民税所得割額と市町村民税所得割額の合算額)になります

2019年度における私立の全日制高校の授業料平均は年間平均約40万円文部科学省)なので、世帯年収目安約910万円未満のご家庭では、授業料が無償になる可能性があります。

申込方法:東京都の例

各都道府県で申込方法やスケジュールは異なりますが、東京都の授業料軽減助成金では、下記のようなスケジュールで申請を受け付けています。

・6月中旬〜    申請書を学校又は東京都私学財団ホームページから入手
・6月下旬〜7月末  申請手続き
・12月下旬     申請受領可否結果の通知、申請者の口座へ振込

授業料以外の助成金(奨学給付金)

高校の返済不要の助成金、主要3つのうち最後の1つである③奨学給付金は、低所得世帯を対象にした支援制度です。

これまでの2つは授業料への助成でしたが、奨学給付金は授業料以外の教育費を支援してくれます。例えば、教科書等の教材や通学用品、修学旅行の費用等です。

給付金額

国が設けている補助基準は下記です。しかし奨学給付金の実施主体は各都道府県のため、各自治体ごとで金額は変わります。

【保護者の年収目安と奨学給付金額(国の補助基準)】

保護者の年収目安 学校種別 給付金額目安(年額)
生活保護受給世帯【全日制等・通信制】 国立・公立高校等 32,300円
私立高校等 52,600円
非課税世帯【全日制等】(第一子) 国立・公立高校等 114,100円
私立高校等 129,600円
非課税世帯【全日制等】(第二子以降) 国立・公立高校等 143,700円
私立高校等 152,000円

対象者、申込方法

対象者要件や申込方法は各都道府県で異なるため、各自治体の窓口にお問い合わせください。

各都道府県のお問い合わせ先一覧

人生の三大出費である教育費。今回は返済不要な助成金をメインにご紹介しましたが、無利子での貸付制度等を併用することが可能な場合もあります。上手に支援金や貸付制度を利用して、子供たちが希望の進路に進めるといいですね。


※本記事は2022年6月現在の情報をもとに作成しています。


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