こんなに上がってる!国民年金の保険料
毎年高くなってきているというウワサの国民年金。
実際に保険料は上がってきているのか、確認してみました。
■平成以降の保険料推移
平成元年 4月~ | 8,000円 |
平成2年 4月~ | 8,400円 |
平成3年 4月~ | 9,000円 |
平成4年 4月~ | 9,700円 |
平成5年 4月~ | 10,500円 |
平成6年 4月~ | 11,100円 |
平成7年 4月~ | 11,700円 |
平成8年 4月~ | 12,300円 |
平成9年 4月~ | 12,800円 |
平成10年 4月~ | 13,300円 |
平成11年 4月~ | 13,300円 |
平成12年 4月~ | 13,300円 |
平成13年 4月~ | 13,300円 |
平成14年 4月~ | 13,300円 |
平成15年 4月~ | 13,300円 |
平成16年 4月~ | 13,300円 |
平成17年 4月~ | 13,580円 |
平成18年 4月~ | 13,860円 |
平成19年 4月~ | 14,100円 |
平成20年 4月~ | 14,410円 |
平成21年 4月~ | 14,660円 |
平成22年 4月~ | 15,100円 |
平成23年 4月~ | 15,020円 |
平成24年 4月~ | 14,980円 |
平成25年 4月~ | 15,040円 |
平成26年 4月~ | 15,250円 |
平成27年 4月~ | 15,590円 |
平成28年 4月~ | 16,260円 |
平成29年 4月~ | 16,490円 |
平成30年 4月~ | 16,340円 |
日本年金機構WEBサイトより
調べてみると、こんなに値上がりが続いているのかと驚きます。
平成元年と今年(平成30年)で保険料を比べると、なんと2倍以上の差になります。同じ期間で物価が2倍になったりはしていませんから、かなりの値上がり率ですね。
しかも昔は60歳から年金をもらえていましたが、今は65歳からの給付です。年金の受給開始を70歳以降にできる制度も検討されており、若い世代だと年金がもらえる年齢は70歳を超えるかもしれません。
受け取る金額はどんどん少なくなっていき、支払う保険料はどんどん多くなっている。
それが国民年金の現状です。
国民年金は、ホントに払った分より多く戻ってくる?
国民年金について多くの人が心配している点は、「支払った保険料より多くなって戻ってくるのか!?」というものだと思います。
確かに気になるポイントなので、計算してみました。
(給付期間:平均寿命の84歳まで/払込保険料:16,340円で固定)
<シミュレーション1>
・現状と同条件で支給されるケース
給付額(65歳~84歳) | 779,300円×19年=14,806,700円 |
払込保険料(20歳~60歳) | 16,340円×12ケ月×40年=7,843,200円 |
戻り率:約188%
<シミュレーション2>
・悲観的に予測したケース
(高齢化が進み、制度維持のため支給開始は70歳から)
給付額(70歳~84歳) | 779,300×14年=10,910,200円 |
払込保険料(20歳~60歳) | 16,340円×12ケ月×40年=7,843,200円 |
戻り率:約139%
<シミュレーション3>
・さらに悲観的に予測したケース
(運用失敗などが理由で、支給は70歳、給付額は20%減*)
*時事ドットコム:年金給付減額あり得る・安倍首相
給付額(70歳~84歳) | 623,440円(779,300円×0.8)×14年=8,728,160円 |
払込保険料(20歳~60歳) | 16,340円×12ケ月×40年=7,843,200円 |
戻り率:約111%
結論 | 国民年金は、払った分より多く戻ってくる可能性が高い |
給付額を20%減らされる、支給開始は70歳から、保険料は2018年のもので固定する、というかなり悲観的に見積もったシミュレーションでも、約10%増えて戻ってくる結果となりました。
計算してみると、どうやら年金は払い込んだ保険料よりも多く受け取れると言ってよさそうです。
※インフレ率まで考慮すると、物価スライドがあるとは言え実質100%を割ることもあり得ます
批判はいろいろあっても、理解して欲しいお得な国民年金
ここまでをまとめると、「国民年金は保険料が値上っているものの、高い確率で支払った保険料より多くのお金が受け取れる制度」ということになります。
また年金として戻ってくる金額ばかりが注目されますが、国民年金は保険としての役割も備えています。障害を負ってしまったときに受けられる障害年金や、亡くなってしまったときに遺族へ払われる遺族年金などがそれに当たります。
払ったお金よりも多く戻ってくる上、こういった保険の機能まで持ち合わせている国民年金。
調べるほど素晴らしい制度だなと感じるのですが、世間では不安や不満を持つ人が増える一方に思えます。
おそらく制度について正しく理解されておらず、メリットが伝わりきれていないのではないでしょうか。国民年金に加入するのは「おトク」であることを、ちゃんと理解してもらいたいです。
それから「老後の生活費が心配だ」という人も多いようですが、そういった人はiDeCo(確定拠出年金)での運用を積極的に行うことをおすすめします。2017年から、加入への基準が大幅に緩和されました。「年金の不足分は各自で用意せよ」という、日本政府のメッセージのように思えます。
銀行や証券会社なども商品ラインナップを拡充して、本格的にお客の取り込みをおこなっています。このタイミングに乗っかって、まだ加入していない人はぜひ情報収集を進めてください。
さいごに
「今まで払い込んだ保険料を返して欲しい」といった意見を見かけることもありますが、仮に国が保険料の返却に応じたとして、国民全員がきちんと資産運用や代替保険への加入をするとは思えません。手元にお金があるとつい使ってしまう人が大半でしょう。
老後や万が一への最低限の備えを国が保障している「国民年金制度」は、これからも維持されるべき優秀な制度です。自分自身や家族のためにも、間違ったネット情報に惑わされて、「国民年金の保険料なんて払わなくてもいいや」と、誤った考えに陥らないことを願っています。
(あべし)
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