生命保険の加入チャネル
みなさんは、生命保険や医療保険等に加入するときに、どうやって(どこで)加入しましたか?
昔から多いのは、知人などに紹介された生命保険会社の営業職員や職場に出入りしている営業職員から加入するというケースです。
一方で、最近ではネット生保の登場もありインターネットを通して加入したり、街中に多くなってきた保険ショップなどで加入したりすることもできます。
現状で、どのような経路(以下、チャネル)で加入する人が多いのか、生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」から探ってみましょう。
直近に加入した保険の加入チャネルを見ていると、以下の表のようになっています。
<直近加入契約の加入チャネル>
平成22年 | 平成25年 | 平成28年 | |
営業職員 | 51.7% | 49.7% | 47.1% |
通信販売 | 5.2% | 5.8% | 5.6% |
民保・JAなどの窓口 | 6.3% | 7.0% | 7.1% |
郵便局の窓口や郵便局員 | 10.5% | 8.8% | 8.5% |
銀行・証券会社を通して | 2.7% | 2.5% | 2.8% |
保険代理店の窓口や営業職員 | 6.1% | 9.4% | 9.9% |
勤め先や労働組合等を通して | 7.4% | 6.6% | 7.8% |
その他 | 6.5% | 7.1% | 7.4% |
わからない | 3.5% | 3.1% | 3.7% |
やはりイメージ通り、半数近くの人が自宅や会社に訪問してくる生命保険会社の営業職員から加入していることがわかります。ただし、平成22年の51.7%からは減少傾向にあります。その他のチャネルはどれも10%に満たないものばかりですが、2番目に多いのが保険代理店の窓口や営業職員の9.9%です。このチャネルは平成22年の6.1%から少しずつ伸びてきています。ここ数年店舗が増えてきている保険ショップや生保系のFPなどに代表される、複数の保険会社の商品を扱っている乗合代理店が少しずつ広まってきている結果だと考えられます。
今後、加入意向のあるチャネル
次に、ここ数年の動向を踏まえてこの先どのように保険の加入チャネルが変化していきそうかを見てみましょう。
同調査の中に、今後最も加入意向があるチャネルについてのデータがあります。
<最も加入意向のあるチャネル>
平成22年 | 平成25年 | 平成28年 | |
営業職員 | 37.8% | 32.5% | 31.3% |
通信販売 | 8.8% | 9.9% | 10.1% |
民保・JAなどの窓口 | 12.7% | 14.8% | 14.2% |
郵便局の窓口や郵便局員 | 15.3% | 13.4% | 10.7% |
銀行・証券会社を通して | 4.6% | 5.4% | 5.3% |
保険代理店の窓口や営業職員 | 8.0% | 12.7% | 13.4% |
勤め先や労働組合等を通して | 9.1% | 7.4% | 9.3% |
その他 | 2.8% | 3.0% | 4.6% |
わからない | 0.8% | 0.9% | 1.0% |
一番多いのは生命保険会社の営業職員ですが、31.3%で先程の直近の加入チャネルの47.1%と比較すると意向としてはかなり少ない結果となっています。また平成19年からも少しずつ意向が下がっていますので、今後も生命保険会社の営業職員からの加入は少しずつ減っていくのではないかと思われます。
一方で、加入意向が増えてきているのが保険代理店の窓口や営業職員です。増え方としてはまだまだ小さいですが、この結果から生命保険会社の営業職員からよりも、生命保険会社以外の窓口で加入しようという人が少しずつ増えてきているといえそうです。
それではこの点をさらに掘り下げて、直近に加入したチャネルと今後最も加入意向のあるチャネルを比較してみましょう。
<直近加入チャネルと最も加入意向のあるチャネル>
生命保険会社の営業職員は、先程ふれたように実際の加入比率より加入意向の比率が小さい状況にあります。それ以外では、通信販売、民保・JAなどの窓口、郵便局の窓口や郵便局員、銀行・証券会社を通して、保険代理店の窓口や営業職員などが現状の加入実績よりも今後の意向の方が数値が高くなっています。
ここからも、今後、生命保険会社の営業職員からの加入が少しずつ減っていくのではないかと思われます。これまでの訪問されて勧められて保険に加入するというスタイルから、窓口に出向いたり、FPを呼んだり、あるいはインターネットを通じて加入したり、必要なときに自分から行動を起こして加入するスタイルに変わりつつあると考えられます。また、加入意向が高まっているチャネルの中には、複数の生命保険会社の商品を比較して加入できるところがあることもポイントとしてあげられそうです。
複数の生命保険会社の比較
私たちが何かを購入するときには、通常いろいろな商品を比較してよりよいもの、よりニーズにあったものを購入します。日用品や衣類、家電など、考えてみると大抵は競合商品と比較して購入します。しかしながら、これまで生命保険は、自宅や会社に訪問してきた保険の営業職員から説明を受けて、あまり他社の商品と比べることなく加入することが多かった商品です。
昔は、各生命保険会社の商品も横並びで似たような内容のものが多かったためにそれでもよかったかもしれません。しかし現在は、保険会社によってさまざまな特徴があったり、保険料にも差があったりします。また終身保険はA社、医療保険はB社、がん保険はC社など、保険の種類によっておすすめの保険会社が違うということもあります。だから保険も家電などを購入するときと同じように複数の保険会社の商品を比較して加入すべきなのです。
今後、保険に加入するときには、複数の保険会社の商品を取り扱っているチャネル(乗合代理店やそこに属しているFP)を候補の一つにしてみてはいかがでしょうか?
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