文化勲章・文化功労者発表
こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。
先日、今年度の文化勲章、文化功労者の発表がありました。歌舞伎俳優の松本白鸚さん(80)、筝曲家の山勢松韻氏さん(89)、奈良国立大学機構理事長の榊裕之さん(78)など6名が文化勲章に、シンガー・ソングライターの松任谷由実さん(68)、将棋棋士の加藤一二三さん(82)、現代舞踊の勅使川原三郎さん(69)ら20人が文化功労者に選ばれました。
毎年、受章者が発表されるものの、どのようなものなのか知っている人はそう多くないのではないでしょうか。本日は、文化勲章・文化功労者について調べてみました。
文化勲章と文化功労者の違い
文化勲章
文化勲章は、文化の発達に関し特に顕著な功績のある者に授与される勲章で、昭和12年に制定されました。受章者は閣議によって決定されます。毎年11月3日に皇居で親授式がおこなわれ、天皇陛下から直接授与されます。
おもな文化勲章受章者
氏名(分野) | 受章年度 |
横山大観(日本画) | 昭和12年 |
湯川秀樹(物理学) | 昭和18年 |
谷崎潤一郎(小説) | 昭和24年 |
山田耕筰(作曲) | 昭和31年 |
川端康成(小説) | 昭和36年 |
東山魁夷(日本画) | 昭和44年 |
丹下健三(建築) | 昭和55年 |
黒澤明(映画) | 昭和60年 |
森繁久弥(大衆芸能) | 平成3年 |
日野原重明(医療) | 平成17年 |
蜷川幸雄(演劇) | 平成22年 |
高倉健(映画) | 平成25年 |
文化功労者
文化功労者は、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に年金を支給し顕彰するもので、昭和26年に創設されました。 受章者は文部科学大臣によって決定されます。
おもな文化功労者
氏名(分野) | 受章年度 |
七代目坂東三津五郎(歌舞伎) | 昭和35年 |
東山千栄子(俳優) | 昭和41年 |
杉村春子(俳優) | 昭和49年 |
中村汀女(俳句) | 昭和57年 |
竹本越路大夫(義太夫) | 平成2年 |
三浦朱門(小説) | 平成11年 |
長嶋茂雄(野球) | 平成17年 |
牧阿佐美(バレエ) | 平成20年 |
水木しげる(漫画) | 平成21年 |
宮﨑駿(アニメーション映画) | 平成24年 |
意外と多い?文化勲章辞退者
国家からの勲章である文化勲章。たいへん栄誉あるものですが、辞退者も存在します。
辞退者のエピソードを紹介します。
河井寛次郎(陶芸)
人間国宝、文化勲章などの栄典をすべて辞退。権威を好まず一陶工として生涯を終えました。「暮しが仕事 仕事が暮し」の言葉を残しています。
熊谷守一(洋画)
「お国のために何もしたことないから」と文化勲章を辞退。富や名声などに関心を持たない孤高の画家で、亡くなるまでの20年間、自宅に引きこもったまま創作活動を続けました。
大江健三郎(小説)
「民主主義に勝る権威と価値観を認めない」「戦後民主主義者に国民的栄誉は似合わない」という理由で文化勲章を辞退しました。
杉村春子(俳優)
「女優が勲章など、頸にぶらさげていられますか」と文化勲章を辞退しました。戦前に新劇が受けた迫害と弾圧に対する抗議として辞退したともいわれています。
気になる副賞は?
文化勲章には、金品等の副賞はありません。 いっぽう、文化功労者には、文化功労者年金が支給されます。文化勲章は文化功労者の中から選ばれます。
文化功労者年金は、年額350万円(令和4年11月時点)の終身年金です。国民年金や厚生年金のように一定の年齢に達したら支給されるのではなく、文化功労者に選ばれた年度から死亡した年度にわたって支給されます。また、文化功労者年金は非課税所得となります。
ちなみに文化勲章に副賞がないのは、憲法が関係しています。
日本国憲法第14条に「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない」とあるので、文化勲章に対して国は年金や褒賞金を支給できないのです。
そのため、文化への貢献に報いることができる仕組みとして、文化功労者という制度が生まれました。
文化勲章の予備制度ともいえる文化功労者。数年後に誰が文化勲章を受章するのか気になるところです。
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