ボブ・ディランがノーベル賞受賞!~未発表曲と著作権

ボブ・ディラン

Christian Bertrand / Shutterstock.com

ボブ・ディランがノーベル文学賞受賞!

こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。

10月13日、アメリカの伝説的アーティストであるボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞しました。まさかの作家以外への文学賞授与に、世界中で驚き、賞賛、反発の声が上がるいっぽう、翌日の株式市場では傘下企業がCDを販売しているソニーの株価も上がり、年初来高値を更新しました。

気になる授賞理由は「アメリカの歌の伝統に、新たな詩的表現を創造した」。これまでに発表した楽曲や著作は言うまでもなく、今後の活動にも注目が集まることでしょう。

本日は、ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞を祝し、作品と著作権について考えます。

ボブ・ディランってどんなアーティスト?

ボブ・ディランは1962年にデビューし、75歳になった現在も精力的に音楽活動を続けています。今年の4月には来日公演もおこなわれました。

代表曲

・Blowin’ in the Wind (風に吹かれて)
・A Hard Rain’s a-Gonna Fall (はげしい雨が降る)
・The Times They Are a-Changin’ (時代は変る)
・Like A Rolling Stone
・Knockin’ On Heaven’s Door (天国への扉) 

10代~20代ぐらいだと、ボブ・ディランの名前や作品を知らない人も多いと思いますが、現在活動中のミュージシャンや作家に大きな影響を与えている偉大なアーティストなのです。

ボブ・ディランの影響を受けたおもな日本のミュージシャン、作家など

吉田拓郎

ノーベル文学賞受賞の発表を受け、「ボブ・ディランがいたから今日があるような気もする」とコメント

浜田省吾

『路地裏の少年』や『ラストショー』などの歌詞に、ボブ・ディランの作品名(『風に吹かれて』『Like A Rolling Stone』)が登場

福山雅治

2007年に日本を代表してボブ・ディラン写真展に作品を出品

村上春樹

デビュー作『風の歌を聴け』にボブ・ディランのアルバム名(『Nashville Skyline(ナッシュヴィル・スカイライン)』)が登場(『風の歌を聴け』のタイトルは『風に吹かれて』の影響ではないかと言われている)

伊坂幸太郎

『アヒルと鴨のコインロッカー』にボブ・ディランの作品名(『Blowin’ in the Wind』)が登場

桑田佳祐、佐野元春、桜井和寿、漫画家の浦沢直樹なども、ボブ・ディランの影響を口にしています。

未発表曲と著作権

著書や楽曲などの著作物には、著作権が発生します。日本では、実名の著作物は死後50年間、無名・変名の著作物は公表後50年間(死後50年経過が明らかであれば、そのときまで)著作権が保護されます。著作権の保護期間は国ごとに異なり、アメリカやEC加盟国では70年間となっています。EU加盟国の著作権の保護期間は50年間でしたが、2013年に、1963年以降にレコーディングされた作品の保護期間が、70年間に変更されました。この著作権法の変更は、ボブ・ディランにも影響を与えました。

2012年、ボブ・ディランは、未発表音源の著作権(50年間)失効を防ぐため、1962年頃にレコーディングした未発表音源をフランス、ドイツ、スウェーデン、イギリスでリリースしました。『The 50th Anniversary Collection』というタイトルの限定ボックス100セットで、当時、ネット・オークションで1,000ドルもの値がつきました。

このような著作権対策は、ほかのアーティストもおこなっており、2013年にビートルズの未発表59曲が発売されたのも著作権延命が理由です。作品を保護・管理することも重要なアーティストの役目であることがわかるエピソードです。往年のビッグアーティストが大量の未発表曲をリリースしたら、「著作権がらみかな?」と思っていいかもしれません。

プロテストソングと呼ばれる、社会的なメッセージを込めた作品で知られるボブ・ディラン。時代や社会情勢が変化した現在、あらためて聴くことで、作品の普遍性を感じられるかもしれません。みやこも、仕事が終わったら『Blowin’ in the Wind』を聴こうっと。


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