話題の夫婦別姓は、保険加入にどう関係する?

手をつなぐ男女

夫婦別姓裁判のおさらい

日本には明治時代から夫婦別姓を認めない民法の規定があり、現在も続いています。その法律について、「選択的夫婦別姓」を認めていない今の民法の規定は「個人の尊重」や「婚姻の自由」を定めた憲法に違反する、と国に損害賠償を求めた裁判がありました。

最高裁は「夫婦同姓は我が国の社会に定着していて合理性が認められる」として夫婦別姓を認めず、「夫婦が同じ名字を名乗るよう義務付けている今の民法は憲法違反にはあたらない」との判決を言い渡しました。(2015年12月16日 最高裁判所大法廷)

昨年末はテレビやインターネットでも、盛んに取り上げられていましたね。このニュースに対しては、「違憲とまでは言えないし判決は妥当だ」「好きな人と同じ姓になれるのは嬉しいこと」といった賛成寄りの声、「判決は時代遅れ」「同姓を強制するのは世界でも日本だけだ」といった反対寄りの意見、どちらも多数見受けられました。ちなみに15人中3人の女性裁判官は、全員が違憲であるとの判断でした。

別姓で保険に加入できる?

別姓でも同姓でも結婚するとお互いの万が一に備えて、「保険」について考えはじめる人がものすごく増えます。ここを読んでいる皆さんの中にも、保険に加入したキッカケは結婚という人がたくさんいるかもしれません。

では保険を申し込むときの書類が、夫婦で別姓の場合(旧姓で申し込みをする場合)はどう処理されるでしょうか。結論から言うと、別姓の夫婦が生命保険に申し込んでも通常は受け付けされず、書類はハネられてしまいます。保険会社はリスクに敏感であるため、公に認められていない別姓での申し込みをおいそれと引き受けるわけにはいかないのでしょう。

ちなみに事実婚の夫婦の場合は、事前審査を通過すれば保険の加入ができます。事前審査の内容は簡単に言うと「同じサイフ」で暮らしていることの証明で、一般的に5年以上生活を共にしている男女であることが分かればOKです。必要書類は、一緒に住んでいることを証明できる住民票、同じ住所に送られた電気料金など公共料金の領収書または請求書、各保険会社が用意している確認書。保険会社によって多少の差はあるかもしれませんが、だいたい同じです。

別姓の夫婦の場合も、同様の手順を踏めば引き受けをしてくれる保険会社がある可能性はあります。ただ決して一般的なケースではありませんし、同姓の夫婦と同じ扱いをされるかどうかも微妙なところでしょう。

別姓だと審査が厳しい理由

皆さんは「和歌山毒物カレー事件」を知っていますでしょうか。1998年7月25日、和歌山市の夏祭りで住民が作ったカレーライスに猛毒のヒ素が混入され、これを食べた67人が腹痛や吐き気などを訴え4人が死亡した事件です。話題性の多い事件でしたが、その一つに逮捕された林真須美容疑者が保険金詐欺を繰り返して、億単位の保険金を騙し取っていたというのがあります。

社会的ニュースであったこの事件によって、保険金詐欺に関する話題もマスコミで大きく報道されました。保険会社はこれを重く見て、第三者の保険金の受け取りにそれまで以上に厳しくなったと言われています。別姓での申し込みに敏感になるのは、こういった背景もあるのです。支払われる保険金は加入者の保険料から捻出されるものですから、保険会社が引き受けに慎重になるのも理解できます。

同性パートナーのケースはどうか

「姓」と漢字が違いますが、「同性」の場合はどうでしょうか。渋谷区の「同性パートナーシップ証明書」などで、こちらも最近話題になっていましたね。この流れに追随してか、同性のパートナーでも保険の受取人に指定できる保険会社が増えてきています。

ライフネット生命に続き、国内一位二位を争う日本生命と第一生命も同性パートナーの取り扱いについて、それぞれニュースリリースを出しています。どうやら同性については、従来から引き受け範囲を拡大したのに加え、書類手続きの簡略化も進められているようです。

ただ同性パートナーが保険金を受け取る場合は、相続税が法定相続人とは違う計算となり納税金額が大きくなってしまいます。その他、保険金請求時に必要となる死亡診断書の取得が難しいこと、かけた保険料が保険料控除の対象にならないこと、など注意点も多いため加入前にしっかりと調べてから検討することをおすすめします。

まとめ

現在の日本では夫婦別姓を貫こうとするのには社会的な障害が多く、保険契約においてもそれは例外ではありません。先ほど述べたように、別姓での保険加入はまず難航します。

しかし逆説的な言い方をすると、事実婚であろうと夫婦別姓であろうと加入できる方法はあるということです。同性パートナーが少しずつですが認められてきているように、夫婦別姓も時間をかけて解決されていく問題だと思います。今の段階ではそのスピードが早まることを願いつつ、別姓を通す難しさを認識したうえで書類上の「姓」をどうするか決めるのがよいでしょう。

(あべし)


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