保険ショップはどうやって選ぶ?

生命保険を自分から申し込むと断られるって本当?

はい。本当と言って良いでしょう。一般的な生命保険会社のスタンスとしては、自ら生命保険に入ろうとする方のご契約は原則としてお断りされているようです。
それは何故でしょうか? 実は、生命保険を必要と考えられている方は生命保険会社にとってリスクが高い、というように考えられているのです。例えば、健康状態に問題があるのではないか…? 生命保険を悪用されるのではないか…? と言ったことです。 ですから、自ら生命保険に加入したいとお申し出された方は、「自発申込」と言われ、生命保険の審査が厳しくなる要素になります。
「生命保険に入ってください」と積極的な営業をお受けになったことがある方にとっては、自分から加入しようとするとお断りされてしまう可能性があるって意外ではないですか?

 

生命保険の募集人は複数の会社の商品を取り扱えないって本当?

これは、半分本当です。「一社専属制」と言う考え方で、保険業法第282条1項に、「他の生命保険会社の生命保険募集人に対して、保険募集の委託をしてはならない。」と定められています。
ところが、同条の第2項では、「保険募集に係る業務遂行能力その他の状況に照らして、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める場合には、適用しない。」とされ、一定の条件を満たす場合には、複数の保険会社を取り扱っても良いことになっているのです。
これは、1996年の保険業法の改正以降の規制緩和の流れによるもので、今では当たり前となった銀行窓口での生命保険商品の販売が解禁されたのも2000年代になってからのことなのです。

 

保険ショップって何?

さて、ここからが保険ショップのお話しになります。主に生命保険に焦点を当ててお話しさせていただきます。
いわゆる保険ショップとは保険の代理店の形態の一つですが、主に下記の特徴があると考えて良いでしょう。
① お客さま自らが足を運んで、ショップ店舗内で保険の相談を行う。
② 原則として複数の保険会社の商品を取り扱っている。
③ 家計や保険に対する悩みの相談がベースとなっていて、強引な営業がない。
保険ショップを運営する保険代理店の数も店舗の数も増え続けており、必ずしも全てのショップが上記の条件を満たすとは限りませんが、従来型の生命保険の営業をお受けになることに抵抗感がある方には、新しい選択肢になりそうです。
なぜ新しいかと言うと、先に述べたような「自ら申し込むと加入しにくい」「1人の営業担当者からは1社の商品しか提案してもらえない」といった生命保険販売の常識が覆ったからです。
このことによるメリットは、下記の2点ではないでしょうか? 
① 必要なタイミングで、自らの意思で保険加入をすることができること
② 多様化する生命保険商品の中から幅広く検討することができること
生命保険の加入は、ご自身のライフステージや今後のライフプランなどに合わせて検討することが大切です。そして、その大切なタイミングで、信頼できる生命保険の営業の方に出会えるとは限りません。むしろそんなに都合よく出会えないでしょう。
そんなときに、自ら生命保険の加入意思を示しても生命保険会社が問題視しない保険ショップは有効なのです。
さらに今はインターネットなどで色々な知識を得ることができます。あらかじめご自身の考え方を整理したり、ご提案を受けた内容がどうだったのかチェックしたりすることも可能です。
決して言いなりになることなく、ご自身の要望を形にしていくには、保険ショップの形は一つの解決策になるでしょう。

 

保険ショップについて悪い書き込みも見ますがどういうこと?

確かに保険ショップのことをインターネットで調べてみると、否定的な意見を目にすることがありますね。いくつかの意見を見てみましたが、ご担当者の資質によるものを除けば、一番の問題意識は「保険会社から受け取る手数料が高くて、自分の売りたい商品を勧めているのではないか?」という疑問のように感じました。
この点については、そうだともそうでないとも言い切れないですね。
でも、そういった問題を解決するため、2016年5月29日に保険業法が改正されました。具体的には、保険ショップの方は、お客さまのご意向をしっかりと把握し、それに対して提案可能な商品を提示し、実際に提案した商品については、なぜその商品をご提案するのかをご説明する義務が課せられました。
これは、法的な義務です。万が一お客さまの意向も確認せず、自身の売りたい商品を一方的に提案してくるようなケースに出会ったら、一歩引いて考えてみられることをお勧めします。

 

私も保険ショップを利用したことがあります(体験談)

実は、私も保険ショップを利用したことがあります。生命保険会社を退職して転職するとき、生命保険の見直しと退職金の運用について相談に行ったのです。
何故生命保険の知識を持っている私が保険ショップを訪れたかと言いますと、自発的に生命保険を申し込むと断られてしまうからです。自ら生命保険の加入を申し出るのなら、選択肢は保険ショップか通信販売になるでしょう。
前置きが長くなりましたが体験談です。
2015年8月、インターネットで調べた某保険ショップのコールセンターに電話をしました。

 

① 最初の電話
 ・希望の保険ショップ(相談場所)と相談日時(その日の午後)を伝える。
 ・年齢と保険相談の目的を質問される。
 ・予約の可否について、希望の店舗から電話をすると伝えられる。
② 保険ショップから電話があった
 ・予約が可能とのことで、初めて電話をしたその日の午後に相談の約束。
③ 保険ショップを訪問(2時間)
 ・持参した生命保険証券の内容の説明  
 ・私がどういう状況でどういう保険を考えているかヒアリング
 ・私の要望一つ一つに対して会社が異なる複数の商品を提案。
 ・商品それぞれの強みと弱みを丁寧に説明。
 ・死亡保険については、どれぐらいの保障が必要かシミュレーションを実施。

 

この間、勧誘と感じるような営業トークは一切ありませんでした。そして、検討のための資料(パンフレットや生命保険の設計書)とご担当の方のお名刺をいただいて帰りました。
あっという間の2時間でした。
なお、「加入されたいときはご連絡ください」とのことでしたが、相談後、自宅や携帯電話に対して、一度たりとも営業のお電話はもちろん、検討状況を確認するようなお電話すらありませんでした。
私は感動と言って良いような心境でした。大きな満足感をもって保険ショップを後にしたのを覚えています。
実際に保険ショップでの保険相談を体験した私からのアドバイスは次の3点です。

 

① 今入っている生命保険がある場合には、生命保険証券を見てもらいましょう。今の自分の保障を正しく理解できると同時に、自分で気が付けていない問題点を指摘してもらうことができます。相談を効率よく受ける意味でも、保険証券をみてもらうことは有効です。
② ご自身のライフステージや要望の説明ができる準備をしておきましょう。
例えば、「もうすぐ子供ができるので家計を見直したい」「住宅ローンを組んだので、加入している生命保険の内容が妥当か知りたい」「毎月の家計の赤字を何とかしたい」といったレベルでOKです。きっと相談の中で話は広がります。
ご自身が一番解決したいポイントが何なのかは押さえておきましょう。
③ 生命保険についてインターネットなどでちょっとだけ勉強してから相談しましょう。少し知識があるだけで、相談の際に、気持ちにゆとりが生まれます。

 

街やショッピングセンターを歩くとずいぶん保険ショップを目にするようになりましたが、生命保険の長い歴史から見ると、まだまだ新しい入り方です。下記のような方にはご利用をおススメします。

保険ショップはこんな方におすすめ
① 生命保険の必要性を自ら感じられている方。
② 営業の押しを苦手と思われている方


 

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