日本における電子決済の現状と、普及への期待

カード決済しているお客

カードが使えない!ビジネスチャンスを逃している残念なお店

 

「すみません。ウチはカードとか使えなくて、現金だけなんですよー」

飲食店で会計のとき言われることがあるセリフですが、あべしの中ではその瞬間、そこは「2度と行かない店」に認定されます。

 

改めて考えると、これだけクレジットカードが浸透しているのに、いまだに使用できない場所(飲食店に限りません)がかなりあるのはどういうことなのか、気になります。

なかには通販サイトなのにクレカ払いに対応していないところもあって、ほんと驚かされます。

 

マイボイスコムが実施した調査によると、ネットショッピングでの支払いは約80%がクレジットカードであり、対応していなければ50%以上の人が購入をやめてしまうとのことでした。(あべしも、クレカ払いに対応していないところでは何も購入しません)

クレジットカードを導入すれば手数料は取られますが、小さな出費を気にして、より大きなビジネスチャンスを逃した結果になっていますね。

 

また日本のクレジットカードに対応している場所の少なさは、海外からの観光客にとっても大きな不満となっているようです。

観光庁の調査では、支払い環境の問題が、無料公衆無線LAN環境や外国語環境に次いで、外国人旅行者が日本で困ったポイントにあがっています。

 

2020年の東京オリンピックに向けて訪日観光客への対応が進んでいますが、本当に「おもてなし」をするつもりであれば、Wi-Fi環境やクレジットカードの決済環境など、ハード面での設備をもっと整えて欲しいところです。

逆に個人のお店でもそれらにしっかりと対応ができていれば、「外国人の受け入れ体制も整っているお店」として、他との差別化ができるのではないでしょうか。

 

決済システムの導入も、昔と比べるとだいぶ導入しやすくなっています。

以前は、クレジットカードを読み取る機械の設置など初期費用で数十万円、毎月かかる固定費で数万円、さらに決済ごとの手数料で4~8%ほど取られてしまうという状況だったようです。

 

しかし今では、ベンチャー企業が次々に参入して良質のサービスを提供しており、初期費用や月額費用が必要なく、手数料も一定額まで無料であったり3%程度と非常に低い率に設定されたりしています。

 

いち消費者の立場からしても、クレカ払いに対応したお店が一つでも多く増えることを期待します。

 

日本における電子決済の可能性

 

SUICAやEdyといったプリペイドカード決済も、首都圏を中心に浸透してきています。

最近ではアンドロイドペイやアップルペイのニュースをよく目にしますし、今後はスマートフォンによる電子決済も本格化していくのかもしれません。

 

カード・ウェーブの発表によると、2020年までに日本の個人消費は3割が電子決済となり、市場規模は82兆円を突破する可能性があると予測されています。

 

ちなみに中国ではスマートフォンを使った決済が支払い手段のファーストチョイスになっているようで、市場規模は200兆円と言われています。

なかでも「アリペイ」というサービスは中国におけるスマホ決済の72%ものシェアを占めており、中国からの訪問客を取り込むために、こちらも日本で導入が広まっていくかもしれないサービスです。

 

導入事例のインタビューがなかなか参考になったので、ちょっと紹介したいと思います。

(全文はコチラから見られます)

 

印象的だったのはレジにてAlipayが使えると気づいたお客様が、Alipayが使えるのであれば…と購入商品を買い足されたことです

 

中国のお客様の免税販売の平均単価とAlipay決済の平均単価を比較すると、2.6倍もAlipay決済の単価が高いことがわかりました

 

流行に敏感で、柔軟に素早い判断を下せる人がいる会社は違うなーと感じます。(アリペイ導入に限った話ではないですが)

こういった世の中の動きに対応していけるかどうかで、売上やお客の取り込みについての可能性も違ってくるのでしょう。

 

さいごに

 

電子決済ビジネスには様々なベンチャー企業が参入していますが、マーケットが大きくならなければ発展するのは難しくなります。

逆に使用する人が増えれば、導入する場所も増え、ビジネスにも広がりが見えてきます。

 

日本は世界の国々と比べて現金信仰が非常に強いため、ネットショッピングはともかく、普段の支払いでは現金払いを選択する人が一般的です。

とくにインフラの整っていない地方では、そのような人がほとんどでしょう。

 

しかし電子決済の利便性に慣れると、手放せなくなる人も多いはずです。

まだ使ったことのない人にはぜひ一度使ってみて欲しいですし、使用できる場所ももっと増えてもらいたいです。

電子決済のような新たなサービスを積極的に利用していくことは、活力ある若い企業への応援につながりますし、ひいては、振り込み手数料に数百円もかかるような既存勢力へのカウンターにもなり得ます。

 

ちょっとしたことですが、なぜ電子決済ではなく現金での支払いをしているのか、それぞれの支払い方法のメリット・デメリットはどこかなど、身近な例をキッカケに、ぜひお金のことについて考えてみてください。

世界と比較しても日本の金融リテラシーは格段に低く、「フィンテック」と呼ばれるこの分野でも日本は後進国であるという記事を見かけますが、この現状が少しずつでも変わっていくことを望んでいます。

(あべし)

 


 

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