がん保険のチェックポイント

がん保険2

最近のがん保険

2月12日、競泳の池江璃花子選手が血液のがんである白血病であることを告白しました。また、2月19日には、タレントの堀ちえみさんが口腔がんであることを公表しました。

がんは一度治ってものちに再発や転移が起こる可能性のある病気です。がん保険についても、最近は再発した場合にも対応できる商品が主流になりつつあります

以前のがん保険は、診断給付金(一度)、入院給付金、手術給付金、通院給付金(退院後)などの給付金が組み合わされて一つの保険となっているのが一般的でした。このようなタイプだと1回目のがん治療には問題ありませんが、万が一再発した場合の保障については少し心もとない気がします。

一方、最近のがん保険は、診断給付金や治療給付金という形でまとまった一時金を複数回受け取れるものや、入院期間が短くなり通院治療が増えていることから通院給付金や抗がん剤・放射線治療給付金を手厚くしたものが多くなってきています

特に、まとまった一時金を複数回受け取れるタイプは、入院日数や通院日数とは関係なくシンプルに保険金請求ができることや受け取ったお金の使い道に融通が利くというメリットがあり人気となっています。これからがん保険に加入する場合には検討候補に加えておきたい保険です。

その際、注意したいのは一時金が複数回出ると言っても、保険会社(商品)によって支払われる基準が違うということです。

例えば、同じように「がんになったら100万円が複数回出る」とうたっている商品が複数あった場合、保障内容はどれも同じと思っていたら、実はそうではないのです。

商品による給付条件の違い

商品によって、似たような保障でも内容が違うという事例として、今回は、一時金が複数回出るがん保険について、3社(A~C)の商品の給付条件を比較してみたいと思います。なお、比較するのは複数回出る一時金のみで、その他の保障については比較の対象としていません。したがって、この比較内容だけで商品の優劣をつけるものではありません。

【A社】診断給付金が複数回出るタイプ

 ■ 初回

がんと診断確定されたとき

 ■ 2回目以降

前回の支払の理由が発生した日から2年を経過した日の翌日以後にがんの治療を目的として入院または通院したとき

【B社】がん治療給付金が複数回出るタイプ(初回のみ診断一時金も出る)

 ■ 初回

がんと診断確定されたときに診断一時金を給付
さらに治療のために入院したら治療給付金を給付

 ■ 2回目以降

前回の支払の理由が発生した日から2年を経過した日の翌日以後にがんの治療を目的として入院したときに治療給付金を給付

【C社】治療給付金が複数回(5回まで)出るタイプ

 ■ 初回

がんと診断され治療のために公的医療保険の対象となる(健康保険がきく)手術、放射線治療、抗がん剤治療(ホルモン剤は除く)を受けたとき

 ■ 2回目以降

1年経過後、初回と同条件

 上記内容を簡単に表にまとめると以下のようになります。

  A社 B社 C社
給付金の種類 診断給付金 がん治療給付金 がん治療給付金
初回の支払条件 がんの診断確定 がんの診断および治療のための入院 がんと診断され公的医療保険対象の手術、放射線治療、抗がん剤治療を受けた場合
2回目以降の支払条件 (2年経過後)
がん治療のための入院または通院
(2年経過後)
がん治療のための入院
(1年経過後)
初回と同様 ※5回まで
特記事項   初回の診断確定では、あわせて診断一時金を給付 支払対象となる抗がん剤治療について、ホルモン剤治療は除く

A、B、Cの商品を細かく見ていくと、給付金の支払い条件に違いがあることがわかります。Aはがんと診断確定されただけで給付金が支払われます。例えば、手術をせず漢方薬で治療をする場合にも給付金を受けられます。Bは診断確定と治療のための入院が、Cは診断確定と西洋医学による治療(手術、抗がん剤、放射線)が必要です。

現在は、入院をせず、通院のみで治療(健康保険適用)をするケースが増えてきました。A、Cなら給付金が出るがBなら出ないということもありえます。

また一度がんになって給付を受け、1年半後に再発という場合、A、Bなら出ないがCなら出るということになります(ただしCは5回までという制限あり)。

給付条件の違いと再発

がんの再発を繰り返した場合、前章の3商品の給付はどうなるのでしょうか?

(例)

2012年1月 乳がん(手術)
2016年5月 乳がん再発(手術)
2017年5月 胃がん(手術)
2017年10月 リンパ節転移(放射線治療)

2年に一度の給付となる保険だと1回目と2回目は出るが、3回目、4回目は出ないということになります。1年ごとに出る保険だと、1回目、2回目、3回目or4回目に出る(健康保険適用の治療であれば)ということになります。

いかがでしょうか? このようにちょっとした違いですが、保険の給付条件によって、のちのち差が出る場合があることは理解しておきましょう。

ただし、給付条件が緩い(給付金が出やすい)ということは厳しいものより保険料が割高になっている場合もあります。保険料の負担も含めて、どれも一長一短があるので、自分が求める保障が何であるか、何を優先するかをしっかり決めて保険を選ぶようにしましょう。

※本記事は2019年2月現在の情報をもとに作成しています。


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