
テレビやスマホから、台風の進路を知らせるニュースが流れ始める季節。
「今年もこの時期が来たか…」と、空模様を気にしながら、心のどこかで漠然とした不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
「防災用品、そろそろちゃんと準備しなきゃ」
「でも、何から手をつければいい?全部そろえると、結構お金がかかりそう…」
防災の重要性はわかっていても、いざ行動しようとすると、その手間やコストを考えてつい後回しにしてしまう。そんな経験、誰にでもあるかもしれません。
でも、もし防災が「特別なイベント」ではなく、「毎日の暮らしと家計管理の延長線上にある、当たり前の習慣」だとしたらどうでしょう?
この記事では、「防災」をコストや手間だけで捉えるのではなく、あなたと家族の“心の安心”を守るための賢い自己投資と捉え直すヒントをお届けします。無理なく、無駄なく。あなたと家族にぴったりの「備え」の形を、一緒に見つけていきましょう。
台風シーズン前に備えておきたい理由とは?
「いつかやろう」と思いがちな防災準備。なぜ、「今」このタイミングで見直すことが大切なのでしょうか。
年々増える自然災害リスクと家計への影響
近年、夏の終わりから秋にかけて、毎年のように「数十年に一度」クラスの豪雨や大型台風のニュースを耳にします。気象庁のデータを見ても、1時間に50mm以上の非常に激しい雨が降る回数は、長期的に増加傾向にあります。
これはもはや「他人事」や「遠い場所の話」ではありません。もし実際に自宅が浸水したり、避難生活が長引いたりした場合、私たちの家計にはどのような影響があるでしょうか。
- 壊れた家電や家具の買い替え費用
- 住宅の修繕・リフォーム費用
- 避難生活中の食費や生活費
こうした出費は、突然数十万、数百万円単位で発生する可能性があります。日々の備えは、こうした未来の予期せぬ大きな支出から、あなたの大切な資産を守るための「防波堤」の役割を果たしてくれるのです。
【引用・参考情報】
- 気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」
9月は“防災月間”|備えのきっかけに最適なタイミング
9月1日が「防災の日」であることは広く知られていますが、実は9月全体が「防災月間」と定められています。これは、1923年9月1日に発生した関東大震災を教訓とし、災害への備えを国民全体で確認するために制定されました。
この時期は、全国の自治体や商業施設で防災フェアが開催されたり、防災グッズの特設コーナーが設けられたりします。つまり、防災に関する情報やアイテムが手に入りやすい、絶好のタイミングなのです。
「みんながやっているから、うちもやってみようかな」。そんな気軽な気持ちで、まずは家の周りのハザードマップを確認したり、近所の避難所の場所を家族と話したりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
【引用・参考情報】
- 内閣府 防災情報のページ「防災の日・防災週間」
防災用品に“かけるお金”と“かけすぎない工夫”
「備えが大事なのはわかったけど、具体的に何にいくらくらいかかるの?」
ここからは、防災用品にかけるお金と、賢くコストを抑える工夫について考えていきましょう。
最低限そろえたい家庭の防災アイテム一覧と予算感
まずは、首相官邸のウェブサイトでも推奨されている「非常用持ち出し袋」に入れるべき最低限のアイテムを見てみましょう。
- 飲料水・食料品: 1人1日3リットルを目安とした水、カップ麺や缶詰、栄養補助食品など(最低3日分)
- 貴重品: 現金(公衆電話用に小銭も)、預金通帳、印鑑、健康保険証のコピーなど
- 衛生用品: 簡易トイレ、ウェットティッシュ、マスク、常備薬、生理用品など
- 情報・明かり: 携帯ラジオ、懐中電灯、モバイルバッテリー
- その他: 軍手、タオル、救急セット、使い捨てカイロなど
これらのアイテムを一からそろえる場合、1人あたり5,000円~10,000円程度が一般的な予算感です。もちろん、すでに家にあるものを活用すれば、もっと費用を抑えられます。
まずはこのリストを参考に、今あなたの家に「あるもの」と「ないもの」をチェックすることから始めましょう。
【引用・参考情報】
- 首相官邸「災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~」
100円ショップ・自治体支援も活用!お金をかけすぎない工夫
「防災グッズ=高価な専用品」と考える必要はありません。賢く工夫すれば、コストを抑えながら十分な備えが可能です。
- 100円ショップをフル活用する
ウェットティッシュ、軍手、マスク、タオル、ゴミ袋、レジャーシート、簡易カイロ、笛(ホイッスル)など、多くのアイテムが100円ショップで手に入ります。特に消耗品は、安価なもので十分な場合が多いです。 - 日常品で代用する
食品用ラップは、お皿に敷けば洗う水を節約でき、止血や体に巻いて保温するなど、万能アイテムに。大きなゴミ袋は、簡易的な雨具や防寒着にもなります。 - 自治体の支援をチェックする
お住まいの自治体によっては、防災グッズの購入にあっせんや補助金制度を設けている場合があります。また、家具の転倒防止器具の取り付けを無料で手伝ってくれるサービスも。自治体のホームページや広報誌を一度確認してみましょう。
完璧を目指す必要はありません。「できる範囲で、賢く備える」。この視点が、防災を長続きさせるコツです。
防災と家計のバランスをとるポイントとは?
防災準備は、一度きりで終わりではありません。日々の家計管理の中に、どうやって無理なく組み込んでいくかが重要です。
支出を“分散”して備える|無理のない買い足し術
防災用品を一気にそろえようとすると、数万円の大きな出費になり、家計を圧迫してしまいます。そこでおすすめなのが、支出を“分散”させる考え方です。
- 月ごとのテーマを決める: 「今月は食料品と水」「来月は衛生用品とラジオ」というように、毎月数千円の予算を決めて少しずつ買い足していく。
- 「ローリングストック法」を実践する:
これは、普段から少し多めに食料品や日用品を買っておき、使った分だけ新しく買い足していく方法です。例えば、レトルトご飯を常に10個ストックしておき、1個食べたら1個補充する。こうすることで、常に一定量の備蓄が保たれ、賞味期限切れも防げます。特別な「防災用」と意識しないため、家計への負担感も少なくて済みます。
【引用・参考情報】
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」
家庭のライフスタイルに合った備え+火災保険の再確認
市販の防災セットも便利ですが、本当に必要なものは家庭によって異なります。
- 乳幼児がいる家庭: 粉ミルク、液体ミルク、離乳食、おむつ、おしりふき
- 高齢者がいる家庭: 常備薬(お薬手帳のコピーも)、入れ歯洗浄剤、大人用紙おむつ
- ペットがいる家庭: ペットフード、水、常備薬、トイレ用品
あなたの家族にとって「これがないと困る!」というものをリストアップし、オリジナルの防災セットを作りましょう。
そして、モノの備えと同時に見直したいのが「お金の備え」である火災保険です。
実は、火災保険という名前ですが、多くの場合、台風による風災や、洪水・高潮・土砂崩れによる「水災」も補償の対象にできます(※プランによります)。
一度、ご自身の保険証券を確認し、「水災補償」が付いているか、補償内容は十分かを見直しておくことが、万が一の際の生活再建を大きく左右します。
まとめ|“防災も家計管理の一部”として考えよう
防災とは、特別なことではなく、未来のリスクに備え、家族の暮らしと資産を守るための「家計管理の一部」です。
- まずは知る: ハザードマップで自宅のリスクを確認する。
- 無理なくそろえる: 100円ショップやローリングストック法を活用し、支出を分散させる。
- わが家流にカスタマイズする: 家族構成に合わせた必要なものを考える。
- お金の備えも確認する: 火災保険の内容を見直す。
台風のニュースは、私たちに「備え」の大切さを教えてくれるリマインダーです。
「コスト」と捉えれば負担に感じますが、「家族の安心と未来への投資」と捉えれば、前向きな気持ちで取り組めるはず。
まずは今週末、家族と一緒に防災用品のチェックから始めてみませんか?その小さな一歩が、未来の家族を守る大きな力になります。
この記事が気に入ったら いいね♪
この記事が気に入ったら
いいね♪
MoneyMotto!の最新情報をお届けします