貯蓄型保険料が大幅アップ!駆け込み前にチェックを!

低利率イメージ

4月から生命保険料がアップ!

こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。

4月から、学資保険、終身保険、年金保険などの貯蓄型保険(毎月支払型)の保険料の値上げが相次ぎます。利率が少しでも高い今月のうちに、保険の契約を検討している方も多いかもしれません。

本日は、保険料と利率の関係について考えます。なぜ今、保険でお金をふやすことが難しいのでしょうか。

保険料と標準利率

保険会社は、将来の保険金の支払に必要なお金を確実に準備するために、保険料の一部を積み立てています。この積立金のことを責任準備金といいます。そして、責任準備金を計算する際に、用いる利率が標準利率です。標準利率は、国債に連動します。

一般的に、標準利率が高いと積立金額は少なくて済むため、保険料が安くなります。反対に、標準利率が下がると多くの積立金が必要となり、保険料が高くなります。

標準利率の推移をみると、20年前に比べて2.5%も下がっています!

適用期間 標準利率
1996.4.1~1999.3.31 2.75%
1999.4.1~2001.3.31 2.0%
2001.4.1~2013.3.31 1.5%
2013.4.1~2017.3.31  1.0%
2017.4.1~ 0.25%

また、保険会社は、運用によって期待される利率に基づいて、あらかじめ保険料を割り引きます。この割引率を予定利率といい、標準利率をもとに保険会社が自社の状況に応じて決定します。

保険会社は、国債などの安全資産を中心に、貯蓄型保険の運用をおこなっています。そのため、標準利率が下がると、予定利率もそれに連動するのです。

保険料値上げの影響

4月から保険料が上がると聞くと、「加入中の保険を見直さなくては!」とあわててしまいがちですが、すべての人に影響があるわけではありません。保険料が上がるのは、4月以降に契約・更新をする場合のみです。すでに契約している保険については、保険料は変わりません。

では、新たに貯蓄型保険に加入する場合、どれだけ保険料が上がるのでしょうか。学資保険を例に比較してみましょう。

A社 学資保険

契約者:30歳男性
被保険者:0歳
保険料払込期間:18年
受取総額:300万円

<現行の保険料>
予定利率:1.35%
月払保険料:12,620円
払込保険料総額:2,725,920円
返戻率:110.0%

<改定後の保険料>
予定利率:0.85%
月払保険料:13,350円(+730円)
払込保険料総額:2,883,600円(+157,680円)
返戻率:104.0%

B社 学資保険

契約者:30歳男性
被保険者:0歳
保険料払込期間:15年
受取総額:300万円

<現行の保険料>
予定利率:1.5%
月払保険料:14,575円
払込保険料総額:2,623,500円
返戻率:114.3%

<改定後の保険料>
予定利率:0.75%
月払保険料:15,995円(+1,420円)
払込保険料総額:2,879,100円(+255,600円)
返戻率:104.1%

どちらの商品も、返戻率は104%程度に低下しています。保険でお金を貯めることがいかに大変かがわかる数字です。

保険でお金を貯めるメリットとは?

今後ますます保険による貯蓄が難しくなりますが、貯蓄型保険にはメリットもあります。

強制貯金

毎月、保険料の支払が発生するため、確実にお金を貯めることができます。貯金が苦手な人には、おすすめの方法です。

生命保険料控除

加入している生命保険の種類によって、生命保険料控除・介護医療保険控除・個人年金保険料控除を受けることができ、所得税・住民税が軽減されます。収入が多く所得税率の高い人ほど、軽減額が大きくなります。年間の軽減額がわずかであっても、長期間控除を受けることで、実質保険料を安くすることができます。

「大きく増えなくてもいいから確実にお金を貯めたい」「リスクを取らずに老後資金や教育資金を貯めたい」という考えの人には、まだ魅力のある商品といえそうです。

保険料の値上がり前は、駆け込み需要が相次ぎます。これから貯蓄型の保険に加入する場合は、保険会社や保険代理店などに問い合わせをし、早めに手続きを済ませましょう。

※本記事は2017年3月2日現在の情報をもとに作成しています。


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