扶養の範囲内に収まる?気になるパート収入
こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。
配偶者の扶養内でパート・アルバイトをしている方にとって気がかりなのが、自分の年収。収入が一定額を超えると、税金や社会保険料、配偶者が支給される家族手当などに影響が出ます。扶養内で働くために、「11月になると出勤日や勤務時間を調整する」という方も多いのではないでしょうか。
本日は、扶養とパート収入について調べてみました。
税金の壁と社会保険の壁を知ろう
配偶者が会社員や公務員などの給与所得者の場合、パート・アルバイトをしている人には、収入の壁といわれる金額が存在します。103万円の壁、130万円の壁などが当てはまりますが、いったいどのような壁なのでしょうか。
収入の壁には、税金(住民税・所得税)に関するものと、社会保険(健康保険・年金)に関するものがあります。この金額を超えたら、住民税、所得税、社会保険を自分で払わなければならないというボーダーラインです。
住民税の壁
住民税は前年の所得に対して課税される税金です。均等割と所得割があり(くわしくはこちら)、それぞれ非課税枠が異なります。所得割の非課税枠は全国一律で「年収100万円以下」ですが、均等割の非課税枠は住んでいる地域によって変わります。(年収93万円~100万円)
上記の表を例に比較してみましょう。年収が100万円の場合、成田市・川越市に住んでいると住民税(均等割)がかかりますが、東京23区に住んでいればかかりません。また、非課税枠を1円でも超えると課税対象になってしまいます。自分の住んでいる市町村の非課税枠を確認しておくことをおすすめします。
103万円の壁(所得税)
年収が103万円以下の場合は所得税がかかりませんが、103万円を超えると自分で所得税を納めなければなりません。また、配偶者控除もなくなってしまうため、配偶者の所得税・住民税が増えます。年収が103万円を超えても、141万円未満であれば配偶者特別控除を受けることができます。(配偶者の所得が1,000万円以下の場合のみ)
月収が88,000円以上になると、給料から所得税が引かれますが、年収が103万円以下であれば年末調整で税金が戻ってきます。勤務先が年末調整をしない場合には、確定申告をして支払った税金を取り戻すことができます。
130万円の壁(社会保険)
年収が130万円未満の場合、配偶者の社会保険の被扶養者となり、自分で健康保険や年金の保険料を納めないケースがほとんどです。 しかし、年収が130万円以上になると、自分で社会保険料を納めなければなりません。
法律上、職場は「正社員の3/4以上の勤務時間、勤務日数を働いている人」を、収入額にかかわらず社会保険に加入させなければならないのですが、社会保険料の負担増を避けるため、パート・アルバイトを社会保険に加入させないケースがあります。勤務先の社会保険に加入できるかどうか確認しておきましょう。職場で加入ができない場合には、自分で国民健康保険料(40歳から64歳までは介護保険料も上乗せ)と国民年金保険料を支払わなければなりません。
年収130万円の人が自分で国民健康保険と国民年金に加入すると、負担額は毎月2万円を超えます(国民健康保険料は年齢や自治体によって金額が大きく変わります)。年収130万円の壁を超えると、手取り収入が大きく減ってしまうのです!
130万円の壁には注意点があります。年収130万円には、通勤手当も含まれます。電車・バスなどの交通費を別途支給されている場合は、収入に含まれることをおぼえておきましょう。(社会保険の扶養認定には通勤手当が含まれますが、税金の扶養認定には含まれません)
また、社会保険の扶養認定は、年収が130万円以上になった時ではなく、年収の見込が130万円以上であると判断された時に取り消されます。(取消日の判定基準は加入している健康保険によって異なります)
(例) 月収108,334円のパートを10か月続けた場合 108,334×12=1,300,008円(年収が130万円以上と見込まれる) →実際の年収が130万円未満でも、130万円以上と見込まれるため、配偶者の社会保険の被扶養者になれない。 |
※106万円の壁についてはこちら。
家族手当と収入
配偶者の勤務先が、家族手当または扶養手当などを支給している場合、パート・アルバイトの収入額によって手当が打ち切られることがあります。
国家公務員(課長級以下の職員)の場合は、年収が130万円未満だと、月額10,000円の扶養手当を受けることができます。企業の場合は、個々に収入条件や手当の支給額が異なります(年収103万円以下としている企業が多いようです)。
「頑張って働いたのに、家族手当が打ち切られて世帯の収入が減った」などということにならないよう気をつけましょう。
扶養内で働く場合、さまざまな収入の壁があります。どのような働き方がいちばん有利なのかは、それぞれの状況によって異なります。年末調整の時期が近づき、税金や控除について考える機会が増えてきました。自分に合った働き方を続けていけるよう、配偶者とも相談をしてみましょう。
※本記事は2017年10月現在の情報をもとに作成しています。
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