人それぞれの保険商品えらび、 あなたの基準はなに?

たくさんの人アイコン

満足度の高い生命保険会社ランキング

生命保険協会が発表した統計によると、これまで少子化の影響で減少し続けていた学資保険の新規契約が、2014年度は前年比で約180%と急増しています。この背景には、かんぽ生命がリリースした新しい学資保険『はじめのかんぽ』の大ヒットがあるようです。朝日新聞の記事によれば、学資保険の新規契約のうちなんと約2/3ものシェアを『はじめのかんぽ』が占めていると言います。

また先日、世界的な調査機関であるJ.D.パワーが、生命保険契約の顧客満足度について2016年度ランキングを発表しました。グラフの通り、ソニー生命やプルデンシャル生命が高い評価を得ています。この2社は、ここ数年ずっとトップにランキングされていますね。ではなぜ、かんぽ生命の学資保険が爆発的に売れ、特定の生命保険会社が顧客から支持され続けているのでしょうか。

J.D.パワーランキング

戻り率の少ない、かんぽの学資保険が売れまくる理由

まず学資保険について考えてみます。多くの人が学資保険に期待する役割は、支払った保険料に対してなるべく多くのお金が戻ってくることだと思います。その観点で考えると、「戻り率の一番高い学資保険=一番よい学資保険」であると言えるでしょう。しかし『はじめのかんぽ』は2016年4月現在、戻り率の高さでだいたい7~8番目となる学資保険です。

戻り率のよい商品が他にあるにも関わらず、これだけ人気だと言うのはどういうことでしょう。先述の朝日新聞にはヒットの理由について、「1番の理由は信頼性」と記載がありました。保険会社の説明は疑う人であっても、郵便局の職員の説明は素直に聞いてしまう傾向があるとのことです。「日本郵便株式会社」というブランドのスゴさを改めて感じます。AppleやNikeといった世界的な企業が、自社ブランディングに全力で取り組んでいる理由も想像できます。

ただ他の商品と同じように、保険についても、商品の質を優先して検討するという考え方があってもよいでしょう。日本人は必要以上に安心感を求めてしまう傾向にありますが、専門機関から一定の財政評価さえ受けていれば、商品内容のみを比較して選ぶのが合理的ではあります。もちろん、最終的にブランドを選ぶか商品の質を選ぶかは、その人の価値観次第になります。

 

保険会社の満足度=適切な保険商品?

ソニー生命やプルデンシャル生命といった保険会社の満足度が高い理由も、信頼性による部分が大きいと感じます。これらの会社の大きな特徴として、営業社員が優秀だというのが挙げられます。これまでライフプランニングについて漠然としか考えたことがなかった人が彼らのプランニングを受けたら、それだけで感動してしまうかもしれません。営業担当者への信頼感やよい提案を聞けたという満足感が、J.D.パワーが実施したようなランキングに与える影響は少なくないでしょう。

しかし満足度の高い保険会社からすすめられた保険が、単純にその人にとって適した保険であるとは限りません。たとえば医療保険ですが、医療の技術は日々進歩しており、入院日数は毎年減少してきています。平成26年度の調査では、病院にかかった856万人のうち外来(日帰り手術を含む)は85%の724万人、入院は15%の132万人で、さらにその33%が5日以内の入院で済んでいます。

各保険会社ともそういった時代の流れに合わせて、日帰り手術にも対応して入院1日目から支給がされる医療保険をリリースしています。一方、先述の満足度が高い保険会社の中には、入院5日目からでないと1円も支給されない昔ながらの内容になっているところもあります。医療保険についての考え方はさまざまですから一概には言えませんが、全員に合っている内容ではないのかもしれません。

また世帯を持ったときに必要となる保障型の商品(収入保障保険や定期保険など)についても、同条件での設計を比較すると、より安いもの、より保障内容が充実している保険商品があります。保険会社のブランドや安心感、保険料の安さ、保障内容の充実度など、あなたが「保険に求めているもの」はなにか、一度じっくり考えてみてください。

 

終わりに

保険に限らず、なにかを購入するときの判断基準は人それぞれですが、10年、20年経って自身の保障内容を見直したときに、後悔のないようにしてもらいたいと思います。特に保険や投資信託、住宅ローンのような金融商品は人生に深く関わるものですから、自身で積極的に知識を取得していくことが大事になってきます。「そんなの面倒だ」と感じる人も多いかもしれませんが、お金の失敗をしないためには必要なことです。そして金融関係に詳しい人からアドバイスが欲しいという人は、ファイナン・シャルプランナーへの相談やセミナー参加を上手く利用してみるのもよいでしょう。

(あべし)


 

この記事が気に入ったら いいね♪

この記事が気に入ったら
いいね♪

MoneyMotto!の最新情報をお届けします

:この記事をシェア