体にやさしい野菜料理が食べたい!!
こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。
ギラギラした日差しが照りつける夏は食欲も低下しがち。ついつい、冷たい飲み物や食べ物に手が伸びてしまいます。今回は、胃腸にやさしい夏野菜料理を求め、高田馬場へ向かいました。
本日のお客様 Nさん(40代女性 図書館勤務) 場所:高田馬場 カーポラヴォーロ(CAPOLAVORO) |
「土に触れることが好きで、いずれは移住をしたい」という夢を持つNさん。現在は、大学図書館と編集のWワークをこなしています。
目にも楽しいカラフル野菜の共演
今日のメニューは野菜づくし。どんな料理が出てくるのかワクワクしていると、色とりどりの野菜プレートが運ばれてきました。
左側の紫色をした野菜は、シャドウクイーンという品種のジャガイモ。どんな味がするのか興味津々でしたが、見た目に反し、しっかりジャガイモの味がしました。ほかにも、ムラサキニンジン、カラフルミニトマトなど、めずらしい野菜がいっぱい。お豆のソースをつけていただきます。
―年代を問わず「移住をしたい」と考える人は多いと思いますが、以前からそのような夢があったのですか?
N:高校生の頃から、「土や自然に触れる生活をしたい」という漠然とした夢はありましたが、思いが強くなったのは、ここ数年です。
―何かきっかけがあったのですか?
N:大学を卒業したあと、留学や大学院を経て、都内の大学の付属機関で働いていました。大学院での専門を活かせる職場でやりがいもあったのですが、忙しすぎて仕事とプライベートで気持ちを切り替えることができなくなってしまったんです。事務がメインだったのですが、担当はわたし一人だけで、土日もただ休んで一日が終わるような日々でした。学生から相談を受けることも多くて、家に帰ってもそれを引きずることがよくありました。そういう、人間関係にどっぷり浸かる生活を送るなかで、自分の中からある種の野性がなくなっていることに気がついたんです。
―野性ですか?
N:自分の中のもっと大きなリズム、地に根ざした安心感のようなものですかね。それを取り戻したいと考えるようになりました。毎日エネルギーを使い切っていたので、精神的にも肉体的にもクタクタでした。これ以上自分をすり減らしながら働くのはつらいなと思い、2年半前に退職しました。
―現在はどんなことをしているのですか?
N:図書館に週3日勤務し、空いた時間に編集の仕事をしています。ずっと時間を拘束されているわけではないので、精神的な余裕がありますね。仕事をしながら畑をやっている人と知り合ったり、山梨や長野に出かけていったりして、移住生活を送っている人たちと交流を深めています。
―移住計画は、うまくいきそうですか?
N:夫が東京で働いているので、すぐに移住するのは難しいです。ただ、彼も土に触れて生きるという考えには賛同しているので、「山梨あたりだったら通えるよ」と言ってくれます。自宅や家族の問題もあるので、条件がそろえば実現できるかもしれません。でも、実際に移住となると、夫が「(通勤が)しんどいな」って言いだしそうです(笑)
インタビュー中に何度も「土に触れる暮らしがしたい」と口にしたNさん。大地の恵みを感じながら食べる野菜は、おいしさもひとしおです。
塩+野菜=ベーコン?シンプルスープを堪能!
続いての料理は、大麦と新玉ねぎのスープ。塩と野菜だけで味つけをしているのですが、ほんのりベーコンの味がします。
ベジタリアンのNさんは、料理を作るのも大好きとのこと。シンプルな味つけのスープに興味津々でした。
―気持ちに余裕のある生活を送れるようになって、何がいちばん変わりましたか?
N:実際に移住生活を送っている人たちと交流していくなかで、経済観念が変わってきましたね。以前は、「お金を生み出す方法がなければ移住生活は無理だろうな」と悩んでいたのですが、だんだんと「田舎暮らしは食費も生活費もそれほどかからない。ちょっとした定職があれば贅沢をしなければやっていけるんじゃないか」と思えるようになりました。東京でのお金の巡りかたとは別の方法でも生活は成り立つ!という手ごたえを感じています。
―お話をうかがっていると、すぐにでも移住できそうな気がするのですが。
N:いえいえ。頭でっかちでなかなか行動に移せないタイプなんです。ただ、夫も私も東京生まれなので、田舎暮らしへの憧れが強いのは事実ですね。
―言葉のひとつひとつにたくましさを感じます(笑)
N:まわりに「自分たちで生活を創り出そう」という意識を持った人が多いので、自然と影響を受けるんでしょうね。オフグリッドで生活しているような人もいて、そんな生き方もあるんだな、と自分に遠くない話として感じられるようになりました。
夏バテ解消!野菜の9種盛り
メイン料理は、自然の恵み9種盛り。夏野菜をたっぷり使った一品料理が、所狭しと並びます。食欲が低下する夏にぴったりの、あっさりしたメインディッシュ。料理法も味も多彩です。
(上段左から)紫大根のピクルス、ジャガイモのフリットローズマリー風味豆乳マヨネーズ、ズッキーニと自然栽培の切り干し大根 (中段)ナスのグラタン、玉ねぎのフリッタータ、カボチャとシャドウクイーンのサラダ (下段)トマトとグリーンピースのピュレ、パニッサ(ヒヨコ豆のフリット)、ゴーヤのビール衣揚げ
―このインタビューのテーマは、お金なのですが、ズバリお金に興味はありますか?
N:え~と、わたしは、この世の中のしくみのお金で動いていないところに興味があるんですよね(笑)たとえば、ギフト経済とか。「空いている時間を捧げて、自分の得意なことをほかの人と交換してコミュニティの中に入っていく」という生き方が、自分には合ってるのかなと思います。時々、そうしたサークルに参加しているのですが、お金ではなく交換でいろんなものをもらっています。
―ギブ・アンド・ギブの経済ですね。奪うのではなく、お互いが優しさを贈りあうという。
N:お金ってあればそれが巡ることで豊かになることもあるのですが、お金ではないしくみ、例えば地に根ざしている安心感とかコミュニティとのつながりを生き方のなかに取り込んで、現代社会のお金というシステムを回していくことも必要だと思うんです。その先に、たくさんのお金を持たなくても人間が人間らしくいられる経済、大きなものに巻かれるのではない、頑張りすぎなくてもいい経済があるのかなと。たくさんお金を得ることではなく、あるもののなかで暮らすことを大切にしていきたいですね。
言葉を選び、時に熱っぽく、人生観や経済のありかたを語るNさん。優しくてまじめな人柄が伝わってきます。
Sweet Memories of 高田馬場
締めのデザートは、寒天で作ったパンナコッタのアイス。
アイスクリームを口に運ぶうちに、若き日の甘い思い出がよみがえってきました。
―高田馬場には思い入れがあるそうですね。
N:大学時代、高田馬場のキャンパスに通いました。当時、このお店はなかったのですが、通りを歩くといろんなことを思い出します。演劇をやっている人、作家を目指している人、音楽活動に明け暮れる人、なかには、この先どうなっちゃうんだろうっていう人もいたんですが、みんな自分の道を見つけて、型にはまらない人生を送っています。在学中はあまり感じなかったのですが、いまになって、自分に合う大学だったな、入学してよかったなと実感します。わたしの場合は、大学時代に根っこにあった部分がやっと開花、結実してきている感じですね(笑)
最後に「自分のルーツともいうべき場所で、このようなインタビューを受けることができてうれしいです」と語ったNさん。そう遠くない将来、長年の夢である移住生活を実現させているかもしれません。
本日のハッピーランチメニュー ・季節野菜とお豆のソース ・本日のスープ(大麦と新玉ねぎのスープ) ・パン ・自然の恵み9種盛り ・ドルチェ(寒天で作ったパンナコッタのアイス) ・ドリンク 取材日 2016年8月5日 |
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