【連載】みやこのハッピーランチ 第4回

鴨胸肉のロースト_top

梅雨の晴れ間に日比谷へGO!

こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。

ぐずついた天気が続くこの季節、晴れの日は、いつもより心が弾みます。梅雨の時期とは思えないほどいい天気に恵まれた金曜日。電車に揺られて日比谷へ出かけました。

本日のお客様

Sさん(40代男性 個人事業主)

場所:ザ・ペニンシュラ東京 1階 ザ・ロビー

Sさんは2年前にサラリーマンを辞め、SEOなどのWebコンサルタントとして独立しました。開口一番、「いつもは一人で仕事をすることが多いので、今日はしゃべりすぎてしまうかもしれません」と言ったとおり、個人事業主としての心得をアツく語ってくれました。

ソースで楽しむ前菜

「こういう形式のインタビューはうれしいですね」と笑顔を見せるSさん。前菜に、びんちょう鮪のグリルと季節野菜のサラダ バジルとマスカルポーネチーズのソースを選びました。

バジルとマスカルポーネチーズのソースの外側にあるのは、アンチョビとガーリックのソース。あっさりしたびんちょう鮪が、カラフルなソースをまとい、濃厚な味に変わります。

びんちょう鮪のグリルと季節野菜のサラダ

―独立して2年になるそうですが、会社員だった頃と比較して、いちばん変わったことは何でしょうか?

S:時間ですかね。いい意味で自由です。会社員だったら、決められた時間のなかで仕事のスケジュールを組みますが、いまは自由がありすぎて、これは午後にまわそうとか、晩ごはん食べたらやろうとか、自分の都合で先延ばしができます。いっぽうで、自由なんだけど、強制されるものがないぶん不自由さも感じます。どれだけ計画的にやれるかってところが肝心ですね。

―自己管理が難しそうですね。

S:もう慣れましたが、独立したばかりの頃は大変でした。仕事が少なかったのでさっと片づけて、そのあとはずっと趣味のフットサルをしていたこともあります。当然、仕事がないと収入もないので、貯金を切り崩して生活していました。

―そういう生活が続くことに、不安はなかったのですか?

S:変に焦ったりはしなかったです。独立する際に少し蓄えがあったので、それが安心材料になっていましたが、同時に自分の中に過剰な期待はなかったですね。何もないところから事業を始めるんだから、いきなりドカンと仕事が入ってくることなんてありえないと思っていました。最初の1年間は勉強の時間でいいんだという割り切りがありました。

―肝が据わっていますね。言うのは簡単ですが、実際に仕事がない日が続くと、精神的につらくなったりするのでは?

S:とにかく時間だけはあったので、それまで読んでいなかった本を読んだり、わからないままにしていたことを徹底的に調べたりしてスキルアップを図りました。そして、少ないながらも依頼された仕事は誠実にこなしました。それがあって、2年目からはちょこちょこ仕事の依頼が来るようになったんです。

―話を聞いてるだけで、大変さが伝わってきます。

S:環境も大きいと思います。何だかんだ言って、独り身ですから(笑)もし、妻や子どもがいたら、お金が入ってこないプレッシャーに耐えられなかったんじゃないかな。

「自由であることはいいことばかりではない」と語るSさんですが、自由であることを最大限に活かして、いまを生きているように見えます。

ソースで楽しむメインディッシュ

メインディッシュは、肉料理と魚料理からのチョイス。Sさんは、鴨胸肉のロースト クラッシュバターポテト マッシュルーム グリーンペッパーソース をオーダー。甘いバターとピリッとしたペッパーソースの香りに食欲をそそられます。Sさん、口に入れるなり「おいしいっす!」を連呼していました。

鴨胸肉のロースト

もう一つのメニューは、魚のソテー エスカベッシュソース 柑橘サラダ カリフラワーとベーコン添えです。エスカベッシュとは南蛮漬けのこと。淡白なスズキの味を、個性的なソースが引き立てます。

魚のソテー

今日の料理は、いずれもソースが味の決め手のようです。

―個人事業主になって、会計や税金の処理はどのようにしているのですか?

S:最初は何もわかりませんでしたが、一から勉強して全部自分でやっています。1年目は、めんどうだとは思わなかったですね。小遣い帳を付けてるみたいで新鮮で楽しかった。でも、最近はちょっといやになってきました(笑)あとは、個人事業主になってわかったことですが、経費にできる範囲が広いんですよね。だから、「これって経費になるのかな?」って条件反射的に考えるくせがついてしまいました(笑)

―会社員と違って、曜日の感覚も変わってくるかと思いますが、時間の管理はどのようにしていますか?

S:土日のどちらかは全く仕事をしない、朝は必ず7時に起きる、平日、世の中の人が働いている時間はテレビを見ないというのを心がけています。原則、9時始業の18時終業で働いています。あとは、部屋に籠ることが多くなるので、お昼は外で食べるようにしています。

―収入についてですが、会社員と違って、月によってばらつきが大きくなるのでは?

S:固定給ではないので、多い月とそうでない月が生じますが、これは仕方がないことです。多い月でもぜいたくをせず、会社員時代と同じ金銭感覚で生活をしています。一定以上のお金が入った月は、上回った金額を別口座に移して管理して、少ない月の補てんとして使います。だから、収入にばらつきがあっても、生活水準は変わらないですよ。

―お金の管理がしっかりできていますね。

S:「大きなお金が入ってパーッと使って失敗した」っていう話をよく見聞きするので、自分はそうなっちゃいけないと肝に銘じています。お金の管理については、会社員時代からできていたと思います。「これ以上はお金を使わない」って決めて、毎月それを守る。ボーナスはなるべく蓄えて、ほしいものがあったらお小遣いを貯めて買っていました。昔から貯金が趣味だったんですよね(笑)

淡々と話をするSさんですが、自己管理が習慣になっていることがわかります。簡単そうに聞こえますが、なかなかできることではありません。

Sさん

スイートな終わりのないはじまり

最後は、アプリコットムース バナナタルト ココナッツシャーベットの3種。どれもほどよく甘く、初夏にぴったりのデザートです。「スイーツ男子」を自称するSさん、甘いものには目がないのだそう。

デザート

―「独立したい」「起業したい」と思っている人たちに何かアドバイスをお願いします。

S:やりたいと思ったらやるのがいちばんです。そして勢いが大切です。

―勢いですか?

S:はい!「失敗してもいいからやりたい」という気持ちがあれば、何とかなるものです。わたしは元々、何が何でも独立しようとは思っていませんでした。将来をあれこれ考えているうちに、「自分でやってみたい」という気持ちが強くなって独立に至ったのです。昔の時代と違って、失敗しても切腹を言い渡されるわけではありませんし、命を取られるわけでもありません。チャレンジしなければ失敗すらないので、強い思いがあるならやってみるのがいいと思います。

―そこまで思い切るには、勇気がいるのでは?

S:先ほども言いましたが、結婚してて妻や子どもがいたら、こうはできなかったでしょう。でも、この年齢まで独身でいられてアクションを起こせる状態にあるんだったら、やらない理由はないですよね。

―独身でいられて、運がよかったと(笑)

S:そうですね(笑)ただ、やるからにはダラダラと続けずに、勝ちを目指さなければならないと思います。

―覚悟が必要だということですね。

S:何事もそうですが、中途半端な気持ちでやるのはよくないです。会社員にも同じことが言えると思います。「このまま勤めていれば、ある程度のお金がもらえるから」という気持ちで仕事をするのと、「わたしはこれがしたいからこの会社にいるんだ」という強い思いを持って仕事をするのとでは、身の入り方がまったく違いますよね。

―おっしゃるとおりです。

S:また、個人事業主というのは、仕事をコントロールするのが難しいです。仕事がほしい時にはなくて、忙しい時ほど依頼が殺到したりするものです。仕事がない時には、折れずに自己研鑽を続ける。仕事を断らざるをえない時には、次回につながるアピールをする。そういう仕事ではない部分での行動が大事だと思います。

―力強いお言葉をありがとうございます。

S:個人事業主は、成功も失敗もすべて自分に返ってきます。いいことも悪いことも、その責任を自分一人で負わなければなりません。そういう自己責任で物事を進められる世界に身を置けることは、幸せなことだと感じています。

「個人事業主になってよかったです。心からそう思います!」と、迷いのない言葉でインタビューを締めくくったSさん。現在は書籍の執筆を終え、法人化に向けて情報収集を続けているとのこと。次回は、代表取締役社長としてハッピーランチに登場していただきたいです。

本日のハッピーランチメニュー

・びんちょう鮪のグリルと季節野菜のサラダ バジルとマスカルポーネチーズのソース

・鴨胸肉のロースト クラッシュバターポテト マッシュルーム グリーンペッパーソース

・アプリコットムース バナナタルト ココナッツシャーベット

・コーヒー、紅茶

取材日 2016年6月10日


 

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