健康のために「何歩歩けばいい?」歩数より大切にしたい考え方

暑さが少しずつ落ち着き、外を歩くのが心地よく感じられる秋。紅葉を見に出かけたり、近所を散歩したりと、体を動かすきっかけもつくりやすい季節です。

「健康のために、少し歩いてみようかな」と考える方もいるのではないでしょうか。

そこで気になるのが、「1日何歩くらい歩けばいいの?」ということ。

「1万歩歩かないと意味がない」「毎日8,000歩を達成しなければ」と、歩数そのものが目標になってしまうこともありますが、健康づくりで大切なのは数字だけではありません。

厚生労働省では、健康づくりのための身体活動について一定の目安を示す一方で、健康状態や体力などの個人差を踏まえて、「今よりも少しでも多く身体を動かす」ことを基本的な考え方としています。

歩きやすくなる秋をきっかけに、自分に合った体の動かし方を考えてみましょう。

健康のためには、1日何歩歩けばいい?

スマートフォンや活動量計で、その日の歩数を簡単に確認できるようになりました。「今日は5,000歩」「昨日は8,000歩」と数字が見えると、健康づくりの目標にも使いやすくなります。

では、実際には何歩くらいを目安にすればよいのでしょうか。

成人では「1日約8,000歩以上」がひとつの目安

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人について、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上行うことを推奨しています。

歩数にすると、1日約8,000歩以上が目安です。

一方、高齢者については1日40分以上、歩数では約6,000歩以上が目安として示されています。

対象 身体活動の目安 歩数に換算した目安
成人 1日60分以上 約8,000歩以上
高齢者 1日40分以上 約6,000歩以上

※身体活動にはウォーキングなどの運動だけでなく、通勤、買い物、家事など日常生活で体を動かすことも含まれます。また、厚生労働省では特定の年齢だけで区切るのではなく、健康状態や体力など個人の状況に応じて取り組むことが重要としています。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

「8,000歩」は全員が達成すべきノルマではない

ここで注意したいのは、「8,000歩歩けなければ意味がない」というわけではないことです。

厚生労働省のガイドでも、生活習慣や健康状態、体力、身体機能などには個人差があるため、強度や量を調整しながら、できることから取り組むことが大切だとしています。

たとえば、普段3,000歩程度しか歩かない人が、翌日から毎日8,000歩を目標にすると、負担が大きく感じられるかもしれません。

まずは、

  • いつもより少し遠回りして帰る
  • 昼休みに少し外を歩いてみる
  • 休日に家族と散歩する

といったところから始めてもよいでしょう。

歩数の数字だけを見るのではなく、「今までより体を動かす時間が増えたか」という視点を持つことがポイントです。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

まずは「今より10分多く」動いてみよう

「毎日8,000歩」と聞くと、運動習慣がない方には少しハードルが高く感じられるかもしれません。

そんなときに参考にしたいのが、厚生労働省の「アクティブガイド2023」です。

ここでは、1日の身体活動時間を一気に増やすのではなく、まずは「今より10分多く体を動かす」ことが紹介されています。

10分なら日常生活にも取り入れやすい

10分多く体を動かすといっても、本格的なウォーキングを始めなければならないわけではありません。

厚生労働省のアクティブガイドでは、ウォーキングのほか、自転車での移動や掃除、買い物なども、日常生活の中で身体活動を増やす例として紹介されています。

日常生活でできること 取り入れ方の例
歩く 昼休みや夕方に散歩する
買い物 少し遠いお店まで歩いてみる
移動 徒歩や自転車を取り入れる
家事 掃除などで体を動かす
運動 ウォーキングや筋力トレーニングを取り入れる

「運動する時間を新しく1時間つくらなければ」と考えると難しくても、普段の生活の中で体を動かす時間を少し増やすのであれば、取り組みやすくなるでしょう。

秋なら、買い物の帰りに少し遠回りしてみたり、休日に近所の公園を歩いてみたりするのもよいかもしれません。

参考:厚生労働省「アクティブガイド2023 成人版」

歩数が増えない日でも「体を動かす」ことはできる

健康づくりというと、「ウォーキング=歩数」と考えがちですが、身体活動は歩くことだけではありません。

掃除、洗濯、買い物、自転車での移動など、日常生活の中で体を動かすことも身体活動に含まれます。

そのため、「今日は目標歩数まで届かなかった」と落ち込む必要はありません。

今日は掃除を頑張った、階段を使った、いつもより歩いて買い物へ行ったなど、一日の生活全体を振り返ってみましょう。

歩数計の数字は、健康づくりの「成績」ではなく、自分の活動量を知るためのひとつの目安として使うのがおすすめです。

「歩く」だけでなく、座りっぱなしにも気をつけよう

デスクワークをしていると、気がつけば何時間も椅子に座ったままということがあります。

健康づくりでは、「どれだけ歩いたか」だけでなく、「どのくらい座り続けているか」にも目を向けることが大切です。

座りっぱなしの時間を長くしすぎない

厚生労働省のガイドでは、成人・高齢者ともに、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することが推奨されています。

長時間のデスクワークやテレビ、スマートフォンなどで座った状態が続くときは、可能な範囲でこまめに中断して体を動かしてみましょう。

たとえば、

  • 飲み物を取りに立つ
  • 仕事の区切りに少し歩く
  • テレビを見ている途中で立ち上がる
  • 簡単なストレッチをする

など、特別な運動でなくても構いません。

厚生労働省のアクティブガイドでも、座りっぱなしの時間を体を動かす時間へ少しずつ切り替えることが呼びかけられています。

参考:厚生労働省「アクティブガイド2023 成人版」

秋から始めるなら「続けられる歩き方」を

過ごしやすい秋は、ウォーキングや散歩を始めるきっかけにしやすい季節です。

ただし、最初から高い目標を設定すると、「今日はできなかった」「今週は続かなかった」と負担になってしまうこともあります。

健康づくりは、一日だけたくさん歩くことよりも、自分に合った活動を続けていくことを意識してみましょう。

毎日同じ歩数でなくても大丈夫

雨の日、忙しい日、体調がすぐれない日など、毎日同じように歩けるわけではありません。

「毎日必ず8,000歩」と考えるよりも、

  • 昨日より少し多く動けた
  • 今週は散歩する日をつくれた
  • 座りっぱなしになる時間を減らせた

といった変化にも目を向けてみましょう。

スマートフォンや歩数計に記録を残しておけば、自分が普段どのくらい動いているのかを知るきっかけにもなります。

体調に合わせて無理なく取り組もう

体を動かすことは健康づくりにつながりますが、無理をする必要はありません。

厚生労働省でも、健康状態や体力、身体機能などの個人差を踏まえ、運動の強度や量を調整することを求めています。

持病がある方や、歩いたときに痛みなどを感じる方は、必要に応じて医師などの専門家に相談したうえで取り組みましょう。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

まとめ:歩数より「今より少し動く」を意識しよう

健康づくりの目安として、成人では1日約8,000歩以上、高齢者では約6,000歩以上という数字が示されています。

ただし、この数字はすべての人が毎日達成しなければならないノルマではありません。

大切なのは、自分の健康状態や体力に合わせながら、今よりも少し体を動かすことです。

まずはいつもの生活に10分の散歩を加えてみる。買い物へ歩いて行く。座りっぱなしになっていたら、立って少し体を動かしてみる。

そんな小さな行動でも、今までより体を動かすきっかけになります。

外へ出るのが心地よくなる秋。歩数計の数字だけにとらわれず、自分が楽しみながら続けられる方法で、体を動かす時間を増やしてみてはいかがでしょうか。

 

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