8月は資産の見直しに最適!将来の安心につながる“分散投資”の基本とは

毎日暑い日が続きますが、夏休みやお盆休みなど、少しゆっくりできる時間が増える時期でもありますね。

「将来のためにお金のことを考えないといけないとは思うけど、毎日忙しくて後回しになっている…」
「資産運用や投資って言葉はよく聞くけど、何から始めたらいいか分からない…」

そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、まとまった時間が取りやすい8月は、ご自身の資産と向き合い、将来の計画を立てるのに絶好のタイミングです。この記事では、将来の安心を手に入れるための第一歩として、資産の“棚卸し”と「分散投資」の基本について、分かりやすく解説していきます。

夏の今こそ、自分の資産と向き合うタイミング

「資産の見直し」と聞くと、少し難しく感じてしまうかもしれません。しかし、これは家の中を整理整頓する「片付け」や「大掃除」と似ています。まずは現状を把握し、これからどうしていきたいかを考える、とてもシンプルな作業です。

8月は“資産の棚卸し”に最適な理由

なぜ、この8月という時期が資産と向き合うのに適しているのでしょうか。主に2つの理由が挙げられます。

1. 時間的・精神的な「ゆとり」が生まれやすい

多くの方にとって、8月は夏季休暇やお盆休みなどでまとまった休みを取りやすい時期です。普段の忙しい毎日から少し離れ、心にも時間にもゆとりが生まれます。

こうしたリラックスした状態は、目先のことに追われず、腰を据えて将来のことを考えるのに非常に適しています。カフェでくつろぎながら、あるいは自宅でのんびりしながら、一度じっくりと家計や将来の夢について考えてみてはいかがでしょうか。

2. 夏のボーナス後で家計を見直しやすい

企業によっては夏のボーナスが支給された後であり、家計に少し余裕が生まれるタイミングでもあります。

「ボーナスを何となく使ってしまった…」という経験はありませんか?
お金に余裕がある今だからこそ、「このお金を将来のためにどう活かそうか?」と前向きに考えることができます。現在の収入と支出、そして貯蓄額を改めて確認する「資産の棚卸し」を行うのに、まさにうってつけの時期なのです。

将来の安心のために、資産形成の目的と目標を考える

資産の棚卸しができたら、次に行いたいのが「何のために、いつまでに、いくら貯めたいのか」という目的と目標を明確にすることです。

漠然と「老後が不安だから貯金しなきゃ」と考えるだけでは、モチベーションを維持するのは難しいもの。例えば、以下のように具体的なライフイベントを想像してみましょう。

ライフイベントの具体例

  • 結婚資金:2年後に300万円貯めて、理想の結婚式を挙げたい
  • 住宅購入:10年後までに頭金として500万円準備したい
  • 子どもの教育資金:子どもが大学に入る15年後までに1,000万円を目標に準備したい
  • 老後資金:65歳までに2,000万円を準備して、ゆとりのあるセカンドライフを送りたい

このように目的が具体的になると、ゴールから逆算して「毎月いくら積み立てればいいか」「そのためには、どのような方法が合っているか」といった、具体的な計画が見えてきます。

ライフプラン達成に必要な“分散投資”という考え方

資産形成の目標が決まったら、次はその目標を達成するための「手段」を考えます。ここで重要になるのが「分散投資」という考え方です。

なぜ資産を分散する必要があるのか?リスクと安定性のバランス

投資の世界には、「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。

もし、持っているすべての卵を一つのカゴに入れていて、そのカゴを落としてしまったら、すべての卵が割れてしまうかもしれません。しかし、複数のカゴに分けて入れておけば、一つのカゴを落としても他のカゴの卵は無事ですよね。

資産運用もこれと同じです。
例えば、自分の資産をすべて日本円の「預貯金」だけで持っていたとします。これは一つのカゴにすべての卵を入れている状態です。もし今後、急激なインフレ(物価の上昇)が起こり、お金の価値が下がってしまった場合、預貯金の価値も実質的に目減りしてしまいます。

そこで、値動きの異なるさまざまな資産に分けて投資するのが「分散投資」です。

  • 地域の分散:日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、新興国などにも投資する
  • 資産の分散:株式だけでなく、債券や不動産などにも投資する
  • 時間の分散:一度にまとめて投資するのではなく、毎月少しずつなどタイミングを分けて投資する(積立投資)

分散投資は、リスクをゼロにする魔法ではありませんが、リスクを上手にコントロールし、安定的に資産を成長させていくための基本中の基本と言えるでしょう。

具体的な方法の一例|株式・投資信託・公社債・外貨建て預金・生命保険

では、具体的にどのような資産に分散できるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

資産の種類 特徴 考えられる活用例
株式 企業の成長に応じて大きなリターン(値上がり益や配当金)が期待できるが、価格の変動リスクも大きい。 企業の成長性に期待し、積極的なリターンを目指すケース。
投資信託 運用のプロが多くの投資家から集めた資金を元に、国内外の株式や債券などに分散投資してくれる金融商品。少額から始めやすい。 専門家の力を借りて、様々な資産に少額から分散したいケース。
公社債 国や企業が発行する借用証書のようなもの。満期まで保有すれば元本と利息が受け取れる。株式に比べてリスクは低い傾向にある。 安定性を重視し、比較的低いリスクで資産形成を行いたいケース。
外貨建て預金 日本円を米ドルやユーロなどの外貨に換えて預金する。日本の預金より金利が高い場合が多いが、為替レートの変動リスクがある。 日本円だけでなく外貨でも資産を持ち、為替の変動も活用したいケース。
生命保険 死亡保障などの万が一への備えと、貯蓄性を兼ね備えた商品(終身保険や個人年金保険など)がある。コツコツと長期で資産形成ができる。 万が一の保障を確保しつつ、長期的な視点で計画的に資産を準備したいケース。

上記はあくまで資産の選択肢の一例です。いずれの金融商品にもメリット・デメリットがあり、リスクの種類や大きさも異なります。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において、必ず各金融機関のウェブサイトなどで詳細情報を確認の上、行ってください。

これらの選択肢に優劣はありません。ご自身の目標や、どの程度リスクを受け入れられるか(リスク許容度)によって、最適な組み合わせは変わってきます。

資産形成には「目的」と「手段」のバランスが大切

分散投資の選択肢を見て、「いろいろな金融商品があって、どれを選べばいいか分からない」と感じたかもしれませんね。そんなとき大切になるのが、「自分の目的に合っているか?」そして「自分がどれくらいのリスクなら受け入れられるか(リスク許容度)」という2つの視点です。

例えば、「株式や投資信託のように、値動きがあるものは少し怖い…」「でも、銀行の預貯金だけだと、将来お金の価値が目減りする(インフレ)かもしれないし不安…」と考える方も多いのではないでしょうか。

このように、大きなリスクは避けたいけれど、将来のために着実にお金を準備したい。そんなときに有効な選択肢の一つとなるのが、資産のポートフォリオ(組み合わせ)に、安定資産として「生命保険」を加えるという考え方です。

保険商品を無理なく取り入れる具体的な方法

万が一のときの「保障」という役割を持ちながら、計画的に資産を準備できるのが保険の大きな特徴です。ここでは、資産形成に活用できる代表的な保険商品をいくつか見ていきましょう。

個人年金保険
老後資金の準備に特化した保険です。毎月決まった保険料を払い込むことで、60歳や65歳など、あらかじめ決めた年齢から年金形式でお金を受け取れます。「決まった額を計画的に、着実に貯めたい」という方に適しています。

終身保険
一生涯の死亡保障を確保しながら、解約した際には「解約返戻金」を受け取れる貯蓄性の高い保険です。万が一の備えと、将来の教育資金や老後資金の準備を両立させたい方に選ばれています。

外貨建て保険
保険料の支払いや、保険金・解約返戻金の受け取りを米ドルや豪ドルなどの外貨で行う保険です。個人年金保険や終身保険にも外貨建てのタイプがあります。先述した外貨建て資産のメリットを活かしつつ、保障も確保しながら長期的に外貨で資産を育てたいというニーズに応える商品です。

このように、一口に資産形成といっても、攻めの「投資」から守りの「保険」まで、さまざまな手段があります。ご自身のライフプランやリスクに対する考え方に合わせて、無理なく始められる方法を見つけることが大切です。

まとめ:8月の今こそ、将来の安心に向けた第一歩を

今回は、夏の時期に資産を見直すメリットと、将来の安心を築くための「分散投資」の基本について解説しました。最後に、今日のポイントを振り返っておきましょう。

 本日のまとめ

  • 時間が取りやすい8月は、家計や資産の現状を把握する「棚卸し」に最適なタイミング。
  • 「いつまでに、いくら必要か」という具体的な目的と目標を設定することが、資産形成の第一歩。
  • 資産を複数の種類や地域に分ける「分散投資」が、リスクをコントロールする上で非常に重要。
  • 選択肢は株式や投資信託だけでなく、保険(個人年金保険、終身保険など)を活用して着実に備える方法もある。
  • 大切なのは、自分の目的やリスク許容度に合った方法をバランス良く組み合わせること。

将来のお金のことを考えるのは、決して楽なことではありません。しかし、少し時間のあるこの時期に「現状把握」という第一歩を踏み出すだけでも、漠然とした不安はかなり和らぐはずです。

「自分一人で考えるのは難しい」「自分に合った方法が具体的に知りたい」と感じたら、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるのも一つの有効な手段です。

ぜひこの夏を、将来の安心に向けたアクションを起こす、きっかけにしてみてください。

 

この記事が気に入ったら いいね♪

この記事が気に入ったら
いいね♪

MoneyMotto!の最新情報をお届けします

:この記事をシェア