お札を燃やすとどうなるの?

お札を燃やす成金

この絵、何の絵?気になる絵

こんにちは。Money Motto!編集長のみやこです。

今回のカバー写真、どこかで見たことはありませんか?これ、日本史の教科書によく載っている第一次大戦による好景気(1915年~1920年)で出現した成金の風刺画です。かなりのインパクトがある絵なので、記憶に残っている方も多いかもしれません。

本日はこの風刺画をもとに、「お札を燃やすとどうなるか」について調べてみました。

成金はなぜお金を燃やしたのか?

まずは、この風刺画の全体像を見てみましょう。

成金

女性:「暗くてお靴が分らないわ」
成金:「どうだ明くなったろう」

高級料亭の暗がりで女性が靴を探すなか、当時の最高額紙幣である百円札を燃やして明かりにしています。この百円札、どれくらいの価値があったのでしょうか?

大戦後の好景気が始まったのは1915年後半です。日銀の企業物価指数(くわしくはこちら)を参考に換算してみると、現在の価値で約12万円になります。

なんとこの成金、靴を探すためだけに12万円相当のお札を燃やしています。おそるべき金銭感覚です!

当時の有名な成金は、船主や船舶会社勤務などの海運業者でした。戦争の長期化で船舶が不足し、海上運賃や船価が10倍以上に跳ねあがったため、膨大な利益を手にしていたのです。

灰になってもお金

風刺画ではお札がちょっとだけ燃えていますが、このあとどうなるのでしょう。じつは、対応しだいで引換えができる可能性があります。

1. 靴が見つかったのですぐに火を消した(灰は処分)

お札の面積が3分の2以上残っていれば、全額引換えることができる

2. 靴が見つかるまで時間がかかり、半分燃えてしまった(灰は処分)

お札の面積が5分の2以上、3分の2未満の場合は半額として引換えることができる

3.靴がなかなか見つからず、指で持っている部分しか残らなかった(灰は処分)

お札の面積が5分の2未満の場合は紙幣としての価値はなく失効

この成金、すぐに火を消して、しっかり百円札を手にしていたのかもしれません。

また、お札が全部または一部燃えてしまったとしても、灰が原形をとどめていれば日銀の本支店で引換えが可能です。火事で金庫が燃えてしまった場合などでも、あきらめずに日銀に持ち込んでみましょう。(くわしくはこちら:日本銀行の引換基準

お札を燃やすと罪になる?

お札を燃やすなど、みやこにはとてもできませんが、仮にわざと自分が持っているお札を燃やした場合、罪に問われるのでしょうか。国立印刷局によると、「法令上は直ちに違法な行為とは言い切れません」とのこと。
懲役や罰金を課されることはないようです。しかし、「お札を切り刻んだり、燃やしたりして損傷する行為はもちろんのこと、ちょっとしたいたずら程度と思われる行為も、お札を使う場面では大きな支障となることがあります。お札はみんなで使うものですから、大切に使ってください。」との注意喚起があります。お札は人から人へと渡るもの。ていねいに扱いましょう。

全国の小中高生のみなさん!将来どれだけお金持ちになっても、このような行為はしないでくださいね。


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