物価高でも諦めない!賢く美味しく続ける、元気と節約の食生活

「また値段が上がってる…」スーパーでため息をつく回数が増えていませんか?
日々のニュースで「物価高」や「インフレ」という言葉を聞かない日はないほど、私たちの家計、特に食費への影響は大きくなっています。

最新のデータを見ても、消費者物価指数は上昇傾向が続いており、特に生鮮食品を除く食料品の値上がりは家計への負担増を実感させます。

一方で、コロナ禍を経て、多くの人が自身の健康について改めて考えるようになりました。
ただ病気を避けるだけでなく、「もっと元気に、すこやかに過ごしたい」という前向きな健康意識(健康志向)が高まっているのです。

「でも、物価高の今、健康的な食生活なんて続けられるの?」そんな声が聞こえてきそうです。
確かにお金がかかることは、健康づくりをためらう一因にもなっています。

しかし、諦める必要はありません。「節約」と「健康」、この二つは賢い工夫次第で両立できるのです。
このコラムでは、物価高の時代でも無理なく、美味しく、そして元気に過ごすための食生活のヒントを、具体的なデータやアイデアと共にご紹介します。

なぜ今?物価高と健康意識の高まり

データで見る物価の現状

まず、現在の物価の状況を数字で見てみましょう。
全国の消費者物価指数(総合)は、前年の同じ月と比較して3%以上の上昇を示す月が続いています。
特に私たちの食卓に直結する「生鮮食品を除く食料」の指数は、前年同月比で+6.2%(令和7年3月値)という高い伸びを示しています。

この物価上昇の背景には、エネルギー価格の高騰(ウクライナ情勢なども影響)や、円安による輸入コストの増加など、複数の要因が絡み合っています。
食料品だけでなく、電気代やガス代など、生活に不可欠なものの価格が上がっているため、家計全体で節約を意識せざるを得ない状況が続いています。
消費者庁でも、生活関連物資の価格動向を注視しています 。

「健康」と「節約」、どっちも大事!

このような経済状況の中でも、人々の健康への関心は高まり続けています。
ある調査では、現在の食に関する志向として「健康志向」と「経済性志向」が上位を占めており、多くの人が健康と節約の両方を重視していることがわかります。

特に「健康志向」はコロナ禍を経てさらに強まり、感染予防という「守り」の意識から、食事や運動習慣を見直して「より健康になりたい」という「攻め」の意識へと変化している人も少なくありません。
この背景には、日本が直面する急速な少子高齢化と、それに伴う将来の医療費増大への意識も関係しているかもしれません。
自分の健康は自分で守る、というセルフメディケーションの考え方が広がりつつあります。

しかし、現実問題として、物価高が健康づくりに影響を与えていると感じる人は半数以上にのぼります。
「健康に良いものを食べたいけれど、値段が…」というジレンマを抱えている方も多いでしょう。
だからこそ今、求められているのは「安くて、栄養価が高い」食材を上手に活用する知恵なのです。
単に安いだけでなく、「価格あたりの栄養価値」が高い食品を見極める視点が、これからの食生活には不可欠と言えるでしょう。

節約しながら元気チャージ!注目の「お助け食材」

物価高の中でも、私たちの健康と家計を力強くサポートしてくれる「お助け食材」があります。手頃な価格で栄養満点、毎日の食卓に上手に取り入れて、元気と節約を両立しましょう!

もやし

家計の強い味方: 何といってもその安さが魅力のもやし。家計が厳しい時の救世主として、多くの家庭で活躍しています。

意外な栄養パワー: 安さだけでなく、栄養面でも注目すべき点があります。シャキシャキとした食感に加え、ビタミンC(美肌や免疫力維持に)や葉酸(細胞の生成を助ける)、カリウム(体内の水分バランス調整)、そして食物繊維(お腹の調子を整える)などを含んでいます。食物繊維は水溶性・不溶性の両方を含むのもポイントです。

賢い選択: 小松菜などの葉物野菜と比べると、カルシウムなどの含有量では劣る部分もありますが、その価格を考えれば非常にコストパフォーマンスの高い野菜と言えます。スーパーでよく見かける緑豆もやしの他に、少し栄養価の高い大豆もやしやブラックマッペもやしなど種類もあるので、使い分けてみるのも良いでしょう。文部科学省の「食品成分データベース」で詳細な栄養価を確認できます 。

豆腐

良質な植物性たんぱく質: 畑の肉とも呼ばれる大豆から作られる豆腐は、良質なたんぱく質の宝庫。筋肉や皮膚、体の様々な組織を作るのに欠かせません。

木綿 vs 絹ごし: 同じ豆腐でも、木綿と絹ごしでは栄養価が異なります。一般的に、製造過程で水分を絞る木綿豆腐の方が、たんぱく質やカルシウム、鉄分などの栄養素が凝縮されています。一方、絹ごし豆腐はなめらかな食感でカロリーが低めです。骨の健康が気になる方はカルシウム豊富な木綿を、カロリーを抑えたい時は絹ごしを選ぶなど、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。

大豆イソフラボンの力: 豆腐に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることで知られています。更年期の不調(ほてり、寝汗など)の緩和や、骨の健康維持、美肌効果などが期待されています。また、LDL(悪玉)コレステロールを低下させる作用も報告されており、生活習慣病予防の観点からも注目されています。ただし、過剰摂取のリスクや、有効性・安全性についてはまだ研究が進められている段階であることも知っておきましょう。1日の摂取目安量(例:40-50mg)を意識すると良いでしょう。

表1: 木綿豆腐 vs 絹ごし豆腐 (100gあたり)
栄養素 木綿豆腐 絹ごし豆腐
エネルギー (kcal) 73 56
たんぱく質 (g) 7.0 5.3
カルシウム (mg) 93 75
鉄 (mg) 1.5 1.2

出典: 文部科学省「食品成分データベース」などの情報に基づく代表的な値

ほぼ「完全栄養食品」: 卵は、ビタミンCと食物繊維以外の、人間に必要な栄養素をほぼすべて含んでいるため、「完全栄養食品」と呼ばれることもあります。

質の高いたんぱく質源: 必須アミノ酸をバランス良く含み、アミノ酸スコアも高い、非常に良質なたんぱく質源です。Mサイズの卵1個で約6gのたんぱく質が摂れ、筋肉や体の組織の維持・修復に役立ちます。

ビタミンの宝庫: 骨の健康に欠かせないビタミンD(特に卵黄に多い)、目や皮膚の健康を保つビタミンA、エネルギー代謝を助けるビタミンB群など、多くのビタミンを含んでいます。

調理のヒント: ビタミンA・D・Eなどの脂溶性ビタミンは、油と一緒に調理する(目玉焼きや卵焼きなど)と吸収率がアップします。

鶏むね肉

高たんぱく・低脂肪の代表: ヘルシー食材の定番、鶏むね肉。脂肪が少なく、たんぱく質が豊富(100gあたり約21〜23g)なので、筋肉をつけたい方やダイエット中の方、しっかり満足感を得たい方におすすめです。

疲労回復をサポート: エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群(特にB6、ナイアシン、パントテン酸)をバランス良く含んでいます。さらに注目したいのが「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」。渡り鳥のスタミナ源とも言われるこの成分は、鶏むね肉に特に多く含まれ、抗酸化作用や疲労回復効果が期待されています。

調理のコツ: 低脂肪な分、加熱しすぎるとパサつきやすいのが難点。蒸し料理やスープ、片栗粉をまぶしてから焼くなど、しっとり仕上げる工夫を。水溶性のビタミンB群を逃さないためには、煮汁ごといただける調理法もおすすめです。

サバ缶・ツナ缶

常備しておきたい便利食材: 開けてすぐに使え、長期保存も可能な缶詰は、忙しい現代人の強い味方。特に青魚の缶詰は栄養価も高い優れものです。

オメガ3脂肪酸 (DHA・EPA) が豊富: サバなどの青魚に豊富なDHA・EPAは、体内で作ることができない必須脂肪酸。血液中の中性脂肪を減らす、血液をサラサラにして血栓や動脈硬化を防ぐ、脳の働きをサポートする、気分の安定に関わるなど、様々な健康効果が報告されています。脂肪燃焼を助ける働きも期待されています。ツナ缶にも含まれますが、一般的にサバ缶の方が含有量は多めです。

たんぱく質や他の栄養素も: どちらも良質なたんぱく質源。特にサバ缶は、骨ごと食べられるためカルシウムや、その吸収を助けるビタミンDも豊富です。

オイル漬け vs 水煮: ツナ缶には油を使った「オイル漬け」と、油を使わない「水煮(ノンオイル)」があります。カロリーを抑えたい場合は水煮が圧倒的に有利。オイル漬けはコクがあり、油に溶け出た旨味や栄養(ビタミンEなど)も活用できますが、油を切るなどの工夫が必要です。

表2: サバ缶 vs ツナ缶(水煮、100gあたり)
栄養素 サバ水煮 (代表値) マグロ水煮 ライト (代表値)
エネルギー (kcal) 約 150-200 約 70
たんぱく質 (g) 約 20 約 16
DHA (mg) 高い (例: 500mg以上/100gも) 含む (例: 数十mg程度)
EPA (mg) 高い (例: 300mg以上/100gも) 約 20
カルシウム (mg) 約 260 (骨ごと) 少ない
ビタミンD (µg) 約 11 少ない

これらの食材を選ぶ際は、調理法も少し意識すると、さらに栄養を効率よく摂取できます。
例えば、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)は油と一緒に摂ると吸収されやすいため、卵は炒め物にする、水溶性ビタミン(B群, C)は水に溶け出しやすいので、鶏むね肉は蒸し料理やスープにする、ビタミンB1が豊富な豚肉は、吸収を高めるアリシンを含むニンニクやニラと一緒に調理するといった工夫が有効です。

時短・簡単・栄養満点!お助け食材活用レシピ

栄養満点で経済的な「お助け食材」も、調理が面倒だと続けるのが難しいですよね。
ここでは、忙しい毎日でもパパッと作れる、簡単でおいしい活用レシピを3つご紹介します!

レシピ1: もやしとツナの旨たまごとじ

コンセプト: 超速・節約・高たんぱく!もやしの安さとツナ缶の便利さ&栄養、卵の栄養を組み合わせた、忙しい日の味方です。

作り方(簡単版): フライパンにもやしとツナ缶(オイル漬けならオイルごと、水煮なら少量の油を足す)を入れて炒め、めんつゆや鶏ガラスープ+オイスターソースなどで味付け。溶き卵を回し入れて、半熟状になったら完成!

ポイント: ご飯にのせて丼にするのもおすすめ。カロリーが気になる方は、水煮のツナ缶を使い、炒め油を少量にするとヘルシーに仕上がります。

レシピ2: 豆腐ステーキ・ガーリック風味

コンセプト: シンプルな豆腐が、食べ応えのあるメインディッシュに変身!豆腐の良質なたんぱく質をしっかり摂れます。香ばしいガーリックが食欲をそそります。

作り方(簡単版): 木綿豆腐の水気をしっかり切り(キッチンペーパーで包んで重しをするか、レンジ加熱)、好みの厚さに切る。フライパンに少し多めの油を熱し、豆腐の両面を焼き色がつくまで焼く。薄切りまたはみじん切りのニンニクを加えて香りを出し、醤油、みりんなどで味付けしたタレを絡める。

ポイント: しっかりとした食感の木綿豆腐がおすすめ。使う油やタレの量でカロリーは変わりますが、おおよそ200〜300kcal程度。

レシピ3: 包丁不要!サバ缶カレー

コンセプト: 究極の時短レシピ!包丁もまな板も不要で、サバ缶の旨味と栄養を丸ごと味わえます。疲れて帰ってきた日にもぴったり。

作り方(簡単版): フライパンや小鍋にサバ缶を汁ごと入れ、カレー粉と一緒に軽く炒める。カットトマト缶を加えて少し煮詰める。お好みでミックスビーンズやヨーグルトを加えてもOK。市販のカレールーを少量溶かし入れても手軽です。

ポイント: 「包丁いらず」が最大の魅力!ご飯やパンと一緒にどうぞ。DHA・EPAもしっかり摂れます。

もっと賢く!食費と健康を守るキッチン術

食材選びや簡単レシピに加えて、日々のキッチンでのちょっとした工夫が、食費の節約と健康維持につながります。
無理なく続けられる「賢いキッチン術」を身につけましょう。

冷凍保存で無駄なく美味しく

特売で多めに買った野菜やお肉、使い切れずにダメにしてしまった経験はありませんか?
冷凍保存は、食品ロスを減らし、食材を有効活用するための強力な味方です。

野菜の冷凍: 洗って水気をしっかり拭き取り、使いやすい大きさにカット。冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて平らにし、金属製のトレーにのせて急速冷凍するのがコツ。これで美味しさや食感をキープしやすくなります。

お肉の冷凍: 使う分量ごとに小分けにして、空気に触れないようにラップでぴったり包み、さらに冷凍用保存袋に入れるのがおすすめです。

保存期間の目安: 一般的に、冷凍した野菜や魚は約1ヶ月、お肉は約2週間〜1ヶ月程度が目安です。美味しく安全に食べるために、早めに使い切ることを心がけましょう。一度解凍したものを再冷凍するのは、品質低下や食中毒のリスクが高まるため避けてください。

野菜は「皮ごと」が合言葉?

にんじん、じゃがいも、大根など、普段むいてしまいがちな野菜の皮。
実は、皮の近くには食物繊維やビタミンなどの栄養が豊富に含まれていることが多いのです。
皮ごと調理すれば、栄養を無駄なく摂取でき、生ゴミも減らせて一石二鳥です。

農薬が心配?: 皮ごと食べることに抵抗がある理由の一つが、残留農薬かもしれません。

洗い方のコツ: 流水でしっかり洗うことが基本です。特に土付きの野菜や、凹凸のある部分は、ブラシを使って丁寧に洗いましょう。最近では、野菜用の洗浄剤や、重曹、ホタテの貝殻成分を使った洗浄剤なども市販されています。気になる方は試してみるのも良いでしょう。どうしても心配な場合は、有機栽培(オーガニック)のものを選ぶという選択肢もあります。

「作り置き」と「献立アプリ」で計画的に

忙しい平日の食事作りを楽にし、食費を節約するためには、「計画性」がカギになります。

作り置き(常備菜)の活用: 時間のある週末などに、数日分のおかず(きんぴら、ナムル、マリネ、下味をつけたお肉など)をまとめて作っておくと、平日の負担がぐっと減ります。冷蔵で3〜5日程度日持ちするレシピも多いです。下味をつけて冷凍しておく「下味冷凍」も、調理時間を短縮できる便利な方法です。

献立アプリで効率化: 毎日の献立を考えるのが大変…という方には、無料の献立アプリがおすすめです。多くのアプリが1週間分の献立提案や、冷蔵庫にある食材からのレシピ検索、買い物リスト作成機能などを提供しています。特売情報と連携しているアプリもあり、計画的な買い物で無駄遣いを防ぐのにも役立ちます。

これらの方法は、単に手間を省くだけでなく、衝動買いを防いだり、食材を使い切る意識を高めたりすることで、自然と節約行動につながるという側面もあります。

まとめ

物価高が続く中でも、日々の食生活で「健康」と「節約」を両立させることは十分に可能です。
今回ご紹介した、もやし、豆腐、卵、鶏むね肉、サバ缶・ツナ缶といった手頃で栄養価の高い「お助け食材」を上手に活用し、簡単なレシピを取り入れてみてください。

さらに、冷凍保存や皮ごと調理、作り置き、献立アプリの利用といった「賢いキッチン術」を組み合わせることで、食品ロスを減らし、計画的に食費を管理することができます。

大切なのは、完璧を目指すのではなく、できそうなことから少しずつ試してみること。
小さな工夫の積み重ねが、無理なく続けられる、健康的で経済的な食生活へと繋がっていきます。

毎日の食卓が、もっと豊かで、もっと元気になるための一歩を、今日から踏み出してみませんか?

※本記事は2025年5月現在の情報をもとに作成しています。


あわせて読みたい記事
食費を節約したいが料理は大変…レシピアプリで家計も心も楽になろう


【PR】1分でわかる!保険マンモスの「ネットで保険診断」  

この記事が気に入ったら いいね♪

この記事が気に入ったら
いいね♪

MoneyMotto!の最新情報をお届けします

:この記事をシェア