「同世代って、実際どれくらい貯めているんだろう?」
お金の話は身近な人とも意外としにくく、調査で数字を見て初めて「そんなに貯めている人がいるの?」と驚くこともありますよね。
総務省の家計調査では、二人以上の世帯における40歳未満の貯蓄現在高は994万円という結果が出ています※1。数字だけを見ると、「思ったより多い」と感じる方もいれば、「自分はそこまで届いていない」と不安になる方もいるかもしれません。
ただ、この数字だけで安心したり、落ち込んだりする必要はありません。大切なのは、平均額と自分を単純に比べることではなく、自分たちの暮らしに合ったお金の備え方を知ることです。この記事では、みんなの貯蓄額をヒントにしながら、これからの時代に考えたい「お金の備え」を3つに分けて整理します。
みんな、実際どれくらい貯めている?
同世代の貯蓄額は、やはり気になるものです。
ただし、数字だけを見て「多い・少ない」と判断すると、かえって不安が大きくなることもあります。まずは、この数字をどう受け止めればよいのかを整理してみましょう。
40歳未満994万円という数字をどう見る?
40歳未満の貯蓄現在高が994万円と聞くと、かなり大きな金額に感じますよね。ですが、ここでまず押さえておきたいのは、この数字が二人以上世帯の平均値だということです※1。
たとえば、結婚して共働きの世帯と、子育て中で教育費がかかる世帯とでは、家計の状況は大きく違います。住んでいる地域や住宅ローンの有無、働き方によっても、毎月の収支や貯めやすさは変わります。
つまり、「40歳未満の平均は994万円らしい」と知ることには意味がありますが、その数字をそのまま目標にする必要はありません。あくまで、自分のお金の状況を見直すきっかけとして使うのが現実的です。
貯蓄額だけで安心・不安は決められない理由
お金の安心感は、単純に「いくら持っているか」だけで決まるものではありません。たとえば、同じ500万円の貯蓄があっても、今後かかるお金が違えば意味合いは変わります。
これから住宅購入を考えている人、子どもの教育費が増えていく人、転職や独立を考えている人では、必要な備えの形が違います。逆に、ある程度生活費が安定していて、急な支出も少ない人なら、そこまで大きな不安を感じなくて済むかもしれません。
だからこそ、平均額を見て「自分は足りない」と焦るよりも、自分にとって必要なお金は何かを整理する方が大切です。お金の備えは、周りとの比較ではなく、自分たちの暮らしに合わせて考えるものです。
これからの時代に必要なお金の備え3つ
ここまで見てきたように、貯蓄額だけでは安心も不安も決まりません。
では、これからのお金の備えは、どんな視点で考えればよいのでしょうか。大切なのは、「貯める」だけでなく、役割ごとに分けて考えることです。
「貯める」だけでなく「備える」視点を持つ
お金の備えというと、「とにかく貯金を増やすこと」と考えがちです。もちろん貯めることは大切ですが、それだけでは十分とは言い切れません。
たとえば、急な病気やけが、家電の買い替え、転職による収入の変化など、暮らしの中には“予定外の出費”がつきものです。こうした場面で困らないためには、日々の生活費とは別に、いざという時に使えるお金を持っておくことが大切です。
まずは、毎月の生活費の数か月分を目安に、すぐ使えるお金を確保する。これだけでも、家計の安心感はかなり変わります。「増やす」ことの前に、「困らないために備える」視点を持つことが、お金の土台になります。
家計管理・保障・資産形成を分けて考える
お金の備えを考える時は、全部をひとまとめにせず、家計管理・保障・資産形成の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 項目 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 家計管理 | 今のお金の流れを整える | 毎月の収支を把握する、固定費を見直す、無理のない貯蓄額を決める |
| 保障 | 大きなリスクに備える | 病気や働けない期間、万一のことが起きた時の家計負担を和らげる |
| 資産形成 | 将来に向けてお金を育てる | 預貯金だけでなく、自分に合った方法で将来資金を準備する |
家計管理は、今のお金の流れを整えることです。毎月何にいくら使っているのか、固定費で見直せるものはないかを把握するだけでも、無理のない改善につながります。
保障は、大きなリスクに備えることです。たとえば、病気や働けない期間が発生した時に、家計へのダメージを和らげる役割があります。
資産形成は、将来に向けてお金を育てていく考え方です。NISAや投資信託だけでなく、自分の状況に合った方法を考えることが大切です。
この3つを分けて考えると、「今の自分は何が足りていないのか」「どこから手をつければいいのか」が見えやすくなります。
何から始めればいいか分からない人へ
お金の備えが大切だと分かっても、いざ始めようとすると手が止まってしまうことは珍しくありません。
そんな時は、難しい制度や商品を先に調べるよりも、まず自分の状況を整理し、基本を知ることから始めるのがおすすめです。
まずは自分の家計と将来の支出を整理する
「何かしなきゃとは思っているけれど、何から始めればいいのか分からない」という方は多いはずです。そんな時は、難しい商品や制度を調べる前に、まずは自分の家計を見える化することから始めてみましょう。
毎月の収入と支出、固定費、貯蓄額を書き出してみる。さらに、今後数年でかかりそうなお金――たとえば引っ越し、教育費、車の買い替え、家の修繕など――をざっくり洗い出してみる。これだけでも、「漠然とした不安」が「具体的に考えるべき課題」に変わってきます。
数字にしてみると、思ったより余裕があることもあれば、逆に早めに動いた方がいいと気づくこともあります。お金の備えは、まず現状を知るところから始まります。
基本を学んで、自分に合う方法を見つける
資産形成と聞くと、つい「何に投資すればいいのか」「今すぐ始めるべきか」と考えてしまいがちです。でも、本当に大切なのは、いきなり答えを決めることではなく、自分に合う考え方を持つことです。
家計の状況や家族構成、今後の予定によって、合う方法は変わります。だからこそ、まずは基本を知り、自分に必要な備え方を整理することが大切です。
貯蓄額の平均を見ると、安心することもあれば、不安になることもあります。けれども、本当に大切なのは「みんなと比べて多いか少ないか」ではなく、自分たちの暮らしに合った備え方ができているかどうかです。
家計を整えること、万一に備えること、将来に向けてお金を育てること。こうした考え方を切り分けて整理していくと、今の自分に必要なことが少しずつ見えやすくなります。
「何から始めればいいのか分からない」「自分にはどんな備え方が合うのか知りたい」と感じたら、まずは基本を知ることから始めてみるのもひとつの方法です。お金のことを後回しにせず、今のうちに自分に合った備えを考えてみませんか。
※1 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果の概要」における、二人以上の世帯のうち世帯主が40歳未満の1世帯当たり貯蓄現在高。平均値。
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