ボーナスを貯金だけは危険!?年末賞与を「守り、増やす」ための新常識

もうすぐ年末、2025年も残すところあとわずかとなりました。

多くの会社員にとって、頑張った一年の集大成である「年末賞与(ボーナス)」は、大きなモチベーションの源でしょう。自分へのご褒美を計画したり、来年の目標のために貯金しようと考えている方も多いはずです。

しかし、もしあなたが「ボーナスはとりあえず銀行預金へ」と考えているなら、少し立ち止まって考えてみてください。現在の日本経済、そして2025年以降の未来を見据えた時、貯金だけが本当にあなたの資産を守る最善策なのでしょうか?

実は、預金だけに資産を置いておくことは、知らず知らずのうちにあなたの大切な資産を「減らすリスク」に晒している可能性があるのです。特に、長期的な視点で資産を形成し、将来に備えたい若年層にとって、この事実は決して無視できません。

本記事では、なぜ今、貯金だけでは危ないと言われるのか、具体的な経済状況の予測や生活者目線のシミュレーションを交えながら分かりやすく解説します。そして、あなたのボーナスをリスクから守り、賢く増やすためのヒントを提示し、次回の記事で具体的な解決策へと繋げます。

なぜ、あなたの貯金は「危険」なのか?低金利・インフレ・円安の三重苦

「貯金こそが安全で堅実な資産形成方法」という考え方は、高度経済成長期やバブル期を知る世代にとっては常識でした。当時は銀行の預金金利も非常に高く、預けておくだけで資産が自然と増えていく時代だったからです。

しかし、現代、そして2025年以降の日本において、この常識はもはや通用しないかもしれません。

あなたの貯金が「危険」に晒されている主な理由は、以下の3つの経済状況が複雑に絡み合っているためです。

依然低い日本の預金金利

現在の日本の普通預金金利は、一部の銀行でわずかに上昇の兆しが見られるものの、依然として低い水準にあります。2025年においても、大幅な金利上昇は予測されにくい状況が続くでしょう。

多くの場合、年0.2%前後が一般的です。(※一部のネット銀行やキャンペーンではこれよりも高い金利が設定される場合もありますが、全体的な傾向としては低金利です。)

例えば、100万円を普通預金に預けても1年後に利息で増えるのは、税引き前で約2,000円程度です。

もし、毎月コツコツと1万円を貯金して、年間12万円を普通預金に預けたとしましょう。10年後には120万円になりますが、この間につく利息は数千円から1万円程度に過ぎません。これでは、どんなに努力して貯蓄を続けても、資産を「増やす」という目標を達成することは非常に困難です。

過去を振り返ると、1970年代後半には郵便貯金の金利が年8%だった時代もありました。100万円を預ければ1年で8万円も増えたのですから、現在の0.2%という数字がいかに低いかが分かります。

この低金利環境が長期間続くことで、預金だけでは資産形成が難しい環境が続くと考えられます。

インフレで実質的な購買力が目減り

「インフレ」とは、物価が継続的に上昇し続ける経済現象を指します。物価が上がるとは、裏を返せば「お金の価値が下がる」ということでもあります。

例えば、今年100円で買えた缶ジュースが、来年には105円出さないと買えなくなったとします。これはあなたの100円の購買力が下がったことを意味します。

つまり、同じ100万円を持っていても、インフレが進むと買えるモノやサービスの量が減ってしまうため、預金に置いておくだけでは、知らず知らずのうちに実質的な資産が目減りしていくのです。

日本の消費者物価指数は、近年、前年比で2%を超える上昇が続いており、2025年以降もこの傾向が続く可能性が指摘されています。(例: 政府・日本銀行は安定的な2%の物価上昇目標を掲げています)。

預金金利が0.2%である一方で、物価が2%以上上昇しているということは、毎年1.8%以上のペースであなたのお金の「実質的な価値」が失われていることを意味します。

分かりやすく言えば、100万円の預金は、毎年約1万8千円以上の価値が、何もしないことで自然と失われているのと同じ状態なのです。

急速な円安で資産価値が下がるリスク

近年、急速に進む「円安」も、日本円だけで資産を持つリスクを高めています。円安とは、海外の通貨(ドルやユーロなど)に対して円の価値が相対的に下がることです。

例えば、1ドル=110円だった時期に比べて、現在1ドル=150円になっているとしましょう。これは、同じ1ドルを買うのに、以前より多くの日本円が必要になることを意味します。

この円安は、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

  • 輸入品の値上がり: 海外から輸入する食料品、エネルギー、家電製品などが高くなります。ガソリン代や電気代、海外ブランド品などの値上がりを実感している方も多いでしょう。これは、日本円の購買力が国際的に低下している証拠です。
  • 海外資産への影響: もしあなたが海外旅行を計画している場合、航空券や宿泊費、現地での買い物などが以前よりも高くつきます。また、将来的に海外留学や移住を考えている場合も、必要な資金が増大する可能性があります。

日本円という特定の通貨だけで資産を保有していると、このような為替変動リスクに直接晒され、国際的な購買力が低下することで、結果として実質的な資産の価値が下がってしまうのです。2025年以降も、国際情勢や各国の中央銀行の金融政策によって、円安の動向は引き続き注視すべき重要な要素となるでしょう。

もし30歳で100万円を預金だけに置いたら10年後どうなる?

では、具体的にあなたのボーナスが、預金だけに置かれているとどうなってしまうのか、生活者目線でシミュレーションしてみましょう。

もしあなたが30歳で、年末のボーナスとして手にした100万円を、すべて普通預金(金利0.2%)に預けたとします。

そして、仮に今後10年間、平均して毎年2%のインフレが続いたとしましょう。(※現在のインフレ率や政府目標から見ても、決して非現実的な数字ではありません。)

この場合、あなたの資産は10年後にどうなっているでしょうか?

  • 10年後の預金残高(名目値):
    100万円を年利0.2%で10年間運用した場合、税引き後(所得税・復興特別所得税20.315%と仮定)の利息を含めても、約101万6千円程度にしかなりません。
  • 10年後の100万円の購買力(実質価値):
    インフレ率が年2%で推移した場合、10年後には物価が約21.9%上昇します。
    つまり、現在の100万円で買えるものが、10年後には約121.9万円出さないと買えなくなる計算です。
    この視点で見ると、10年後の100万円の価値は、現在の約82万円分の購買力に相当することになります。

数字上の残高はわずかに増えても、あなたの買えるモノ・サービスの量はどんどん減っていきます。

つまり、せっかく頑張って貯めた100万円のボーナスが、10年間で実質的に約18万円も価値が目減りしてしまう計算になるのです。これは、10年間で約18%もの資産を失うことを意味します。

この事実を知れば、「貯金だけでは危ない」という言葉の重みが理解できるのではないでしょうか。

では、どうすればいい?

ここまで読んで、「じゃあ、どうすればこのリスクから大切な資産を守れるの?」と感じた方も多いでしょう。ご安心ください。

ただリスクを指摘するだけでなく、その解決策もしっかりと提示させていただきます。

次回の12月の記事では、本記事で明らかになった「預金だけでは資産が目減りするリスク」を回避し、あなたのボーナスや貯蓄を賢く「守り」「増やしていく」ための具体的な方法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

  • インフレや円安に強い資産とは?
  • 少額から始められる投資の選択肢
  • リスクを抑えながら資産を増やすコツ

など、2025年以降も役立つ、今日から実践できる具体的なステップをご紹介します。

今回のボーナスをきっかけに、賢く「守り」「増やす」ための第一歩を、来月の記事で一緒に踏み出しましょう。

まとめ:年末賞与をきっかけに、資産の置き場所を考え直そう

年末の賞与は、日頃の頑張りの証であり、今後のライフプランを豊かにするための大切な資金です。

しかし、2025年以降も予測される経済状況下では、ただ銀行預金に預けるだけではその価値を守ることが難しくなっています。

低金利、インフレ、そして円安という3つのリスクは、預金に置かれたあなたの資産を静かに蝕んでいます。大切なのは、この現実を認識し、対策を講じることです。

今回のボーナスをきっかけに、ご自身の資産がどこに置かれているのか、そしてそれが本当に「安全」なのかを改めて考え直すことが、将来の安心へと繋がる第一歩となるでしょう。

資産を守り、未来を築くための行動を、今こそ始める時です。

具体的な次の一手については、ぜひ12月の記事にご期待ください。

 

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