推定年俸って?プロ野球契約更改の豆知識

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日本シリーズが終わると契約更改

こんにちは。Money Motto!ライターのトリです。日本シリーズ終了後、11月上旬からプロ野球選手の契約更改が始まります。今回は知っておくと契約更改会見の見方が少し変わる豆知識をご紹介します。2016年のシーズン、日本一になったのは北海道日本ハムファイターズでした。劇的なサヨナラ満塁ホームランを打った西川遥輝選手は3,800万円増の1億円で更改、プロ入り6年目で大台を突破しました。また、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手はなんと2億円増の3億円で更改しました。今季は出場した試合はすべて4番を任され、本塁打と打点の二冠を達成しています。次元を超えた二刀流の活躍をした大谷翔平選手は2億7000万円で更改しました。メジャーリーグに挑戦するのでしょうか。また、セ・リーグ覇者、広島東洋カープの神ってる男、鈴木誠也選手は275%アップの6000万円、二年連続でトリプルスリーを達成した東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手は1億3000万円増の3億5000万円でサイン、球団歴代最高年俸に達しました。

契約更改とは

球団と選手が来季以降の雇用契約について協議することをいいます。具体的には、今シーズンの活躍状況が査定され、来シーズンの年俸の提示や契約内容を交渉します。主に球団事務所で行われ、契約に調印したか保留したかをマスコミに公表します。また選手は球団職員ではなく、個人事業主で球団とは個人として契約をします。そのため、確定申告をしなくてはなりません。11月上旬から各選手が契約を締結していきますが、主力選手は年末頃になります。この間は水面下で交渉が行われていると言われています。ちなみに二軍の選手は一軍選手より前に行われ、ほとんど交渉の余地はなく、金額提示と来季の契約手続きが粛々と行われます。厳しいプロ野球の世界、契約を継続できただけでもありがたいのかもしれません。

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推定年俸って

主力選手になると契約更改について記者会見を行うことが通例となっています。その際に、マスコミが発表する選手の年俸が「推定」となっていることが気になった方はいませんか?年俸は給与所得と同じです。私たちも年収ははいくらですか?と聞かれて、「◯◯万円です。」と公表するのにはためらいます。選手も記者に聞かれて答えにくいので、各メディアが様々な角度から質問や取材をして推定した金額を発表しています。推定の方法は、15勝をあげた投手や首位打者などのタイトルをとると2.5~3倍になるという長年の慣習が元になることが多いようです。中には大台(1億円)に乗りましたか?と直球で聞く記者もいて、選手の態度やしぐさで推定することもあります。この場合笑顔であれば推定1億円、ちょっと曖昧な態度であれば推定8500万円という具合です。 記者のみなさんの努力の甲斐あって、この推定額はかなり精度が高いようです。ちなみにプロ野球以外のスポーツで選手が契約に関する記者会見を行うことはほとんどありません。

年俸の減額制限

契約更改では野球協約で定められた減額制限があります。元の年俸が1億円以下は25%、元の年俸が1億円を超える場合に40%を越えて減俸を行う場合は選手の同意を得る必要があるとされています。選手が同意すれば、減俸された額で契約を結ぶことも可能です。 しかし、選手が同意しない場合、球団はその選手に対する保有権を放棄しなければなりません。選手は自由契約となり、どこの球団とも自由に契約を行うことができます。(FA権資格の有無などは関係ありません。) 提示を受けた選手は迷うかもしれませんが、現役生活を続けたい場合は受け入れて契約することが多いようです。それは自由契約になって他球団と交渉してもその条件を超えるオファーがくることは期待できないからです。他球団から減額制限を越えて提示された額以上のオファーが期待できる選手であれば、球団側はそのような提示は行いません。つまり、出て行って他の球団と交渉しても構わない、来季の構想には入っていないという事実上の戦力外通告とも言えます。

不服がある場合は年俸調停

球団から提示された額が減額制限内に収まっているけれど、提示額に不服がある場合は契約には至りません。しかし、減額制限内の提示なので自由契約をすることもできません。契約が成立しなければ、来季にプレーすることができないので、球団と選手は年俸調停を申請することができます。(正式には「参稼報酬調停」といいます。) 年俸調停を申請して選手と球団がそれぞれ署名をすると、年俸が未定のまま契約が成立した状態となります。球団、選手のどちらか一方が拒否した場合、選手は引退となります。また、年俸調停が開かれると、調停額は変更できません。不服がある場合、選手は契約を破棄したものとされ、任意引退扱いになります。年俸調停は選手の権利として導入されましたが40年以上経ってもわずか7名しか利用していません。その選手たちも契約後、3年以内に他球団に移籍したり、戦力外通告を受けています。 1年間でサラリーマンの何十倍、何百倍もの額を稼ぎだすプロ野球選手、ライバルでもあるチームメイトと共に常に勝負の世界で戦っています。今シーズン活躍した選手は自分が想定していた通りの年俸を提示されるのでしょうか。契約更改はプロ野球ファンにとってシーズンオフの大きな関心事ですね。


 

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